自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第27話 経済学・経済政策⑤ 危機感募る

スピ問に着手した著者はあまりにも用語の定義やその意味付けなどを覚えていなかったことに愕然とし、このままでは危ないと危機感を募らせていた。それでもスピ問の先を進めることにした。やりながら覚えていくしかない、と。

そもそも完全競争市場において企業の利潤最大化条件は、限界費用と価格が等しいとき利潤が最大化されるというものだ。それにもましてもっとも重要な考え方を失念していた。それは費用曲線の接線が限界費用を表すということだった。当然に収入曲線との接線は限界収入曲線となる。今思えばこんな初歩的なことを理解できていなかったのであろうかと思った。実際、本試験でしてやられている。情けない。
それにy軸切片のある直線の式と費用曲線との交点は平均可変費用(AVC)イコール限界費用となる点だし、原点を通る直線式と費用曲線との交点は平均費用(AC)イコール限界費用となる点。なんでこんなことが理解できなかったのだろう。

費用関数。数学好きの著者は理解に苦しむことはなかった。それも時間無制限なら、だ。実は某資格試験予備校の模試に出題があったが時間配分を間違え、ケアレスミスをしてしまっている。費用関数を生産量xで割れば平均費用。費用関数の、生産量に依存する部分を生産量xで割ると平均可変費用。費用関数を微分したのが限界費用関数だ。

企業の利潤最大化行動については、企業は限界費用イコール価格になるまで生産を増やすということを押さえておけばよい。つまり、限界費用>価格でも限界費用<価格でもダメ

供給の価格弾力性。供給曲線の傾きが緩やかなほうが弾力性が高い。また長期の弾力性のほうが大きい。要するに供給量を増やせるかどうかというところか。だから農作物や石油は弾力性は小さいし、代替の効かない財も弾力性は小さい。また、遊休設備を抱える場合、供給量を増やせることが出来るので弾力性は大きくなる。弾力性の大きな財は需要が増加しても生産量を増やすことが出来るので価格はあまり上昇しない

従量税・従価税について。グラフの形状を押さえておく。これは余剰分析のところで再度登場する。

生産関数。
生産量と投入量の関係を表す関数。生産関数における利潤最大化条件は、限界生産物価値イコール生産要素価格となるように生産要素を投入すること。なお、生産関数は逓減を仮定するが、生産関数が原点を通る直線で与えられるとき、限界生産性は一定となる。生産関数の接線は限界生産性。

無差別曲線。
いろいろな仮定をおく。

予算制約線。
二財モデルなので、一方の価格が下落すれば他方の消費量は増えると考える。予算そのものが増加した場合、予算制約線は平行シフトする。また、予算制約線の傾きはその二財の価格比を表しており、一方の財の価格が変化すれば、当然に価格比も変化するから傾きが変化するということになるわけだ。

最適消費点。
無差別曲線と予算制約線との接点。ここでは限界代替率イコール財の価格比が等しくなっている。最適消費点は効用Maxの点だ。

需要曲線は右下がりの曲線と仮定する。需要曲線は傾きがゆるやかなほど需要の価格弾力性は大きい。同一需要曲線上では左上に行くほど需要の価格弾力性は大きくなる

代替財と補完財。
x財の価格上昇に対してy財の需要が増加する場合、y財はx財の代替財であるという。また、x財の価格上昇に対してy財の需要が減少するとき、y財はx財の補完財であるという。
代替財のない必需品はえてして需要の価格弾力性は小さい

スルツキー分解はそれぞれの財の需要関数を導出するのに使った。でもこのことはスピテキには書いていない。ここでは上級財・中立財・下級財について触れている。なお、上級財の中には奢侈財と必需品があり、下級財の中でも価格が下落すると需要も減少する財があり、これをギッフェン財と呼んでいる。奢侈財は所得の上昇率よりも消費の増加率のほうが高い財のこと。

需要の価格弾力性は価格が1%上昇すると需要が何%増加するかを示す。一般に、需要の価格弾力性はぜいたく品ほど弾力性が大きく、必需品や代替が効かない財、スイッチングコストが高い財は弾力性が小さいとされている。

スピ問は30ページに突入だ。
スルツキー分解。さほど理解に苦しむことはなかった。むしろ面白がって勉強したのを覚えている。でも面白いと出来るは別物だ。二財モデルを想定するが、一方の財の価格が変化することからスルツキー分解は始まる。そしてシフトした予算制約線に対して平行な無差別曲線との接線を補助線として描けるかがポイントの一つだ。むろんこの補助線は元の効用の無差別曲線との接線となる。その接点が代替効果を表し、シフト後の制約線と効用が変化した場合の無差別曲線との接点が所得効果を示す。
なお、効用が変化した後の接点がもとの最適消費点よりも右側にあった場合(つまり所得効果を見てる)、上級財。左にあった場合は下級財だといえる。今、述べた「右」「左」はx財についてですよ、蛇足ながら。

最近はベタなスルツキー分解は主題されていない。むしろスルツキー分解を利用した「消費余暇モデル」や「異時点モデル」の出題が多いように思える。この点に関して言えば、スピテキは昨今の出題傾向に即して作られていない。スピ問で補完できる部分でもあるんだけれど、スピテキに載せていないようであればそれは不親切だ。その点、石川の経済のほうが分かりやすく書かれている

著者は一次試験敗退後、石川の経済で経済学を勉強しなおしている。
診断士試験の経済学を考えた場合、スピテキよりも石川の経済のほうが試験対策向けとしてはふさわしいと判断したからだ。それが正解だった。