自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第29話 経済学・経済政策⑥ ナッシュ均衡はパレート最適ではない

ではさっそく、今回は期待効用仮説から。

これは財務会計で習得したCAPM理論と通じるところがある。CAPM理論では、個別銘柄のリターン、これを危険資産のリターンとすれば、10年ものの国債のリスクは実質ゼロとみなされる。これはリスクフリーレートと呼ばれる。したがって、リスクプレミアムは個別銘柄のリターンとリスクフリーレートの差で表される
期待効用仮説も似たような考えでいける。
まずは収入の期待値を求める。次にそれぞれの効用を求める。そしてその効用のときの期待値を求め、その収入の差がリスクプレミアムとなる。
不確実性に直面した場合(←これが個別銘柄のリターンと考えられる)と同等の期待効用を与えるような、確実な所得額(←これはリスクフリー)を確実性等価という。また、危険回避的な消費者が不確実性に直面した場合のリスクプレミアムは、リスクプレミアム=不確実性に直面したときの期待値-確実性等価 で表される。

順調に進んでいる。スピ問は40ページだ。市場均衡だって。これは難なくクリア。上級財だから所得が増加すれば消費も増加するしね。
次は需要・供給曲線のシフトだって。そもそも需要・供給曲線は縦軸に価格だし、横軸に需要量・供給量だ。価格の上がり下がりがポイントになるんだ。その調子で次にいこう。次は市場の調整過程だって。ワルラス調整過程とマーシャル調整過程だ。ワルラス調整過程は「ヨコ」に着目し、価格が均衡点に近づくか離れるかで安定・不安定を判断。で、問題はマーシャル調整過程だ。マーシャル調整過程は、今期の消費者価格を考慮して次期の生産量を決めるところがポイントだから、「タテ」に見ないといけないな。つまりは買いたい価格が高いとき、供給量を増やすことで均衡点に向かうとしたらそれは安定的。図を載せないと分かりにくいなぁ。

次は余剰分析。
余剰分析は、①課税パターン(重量税、従価税) ②生産者へ補助金パターン ③価格支持パターンに分類して考えると分かりやすいかも。この余剰分析では元の余剰と変化後の余剰の変化が問われることが多い。つまりは余剰が最大化されるのは完全競争市場であり、そこに政府の介入や税金、関税、独占市場が絡むと余剰は最大化されないっつうことだね。ま、関税は貿易理論のところで出て来るんだろうけれど。

次は比較生産費説。まずは比較要素が投入量なのか生産高なのか識別する必要がある。投入量なら少ないほうが有利だし、生産高なら多いほうが有利だ。あとは用語の整理。絶対有利と絶対劣位。比較優位と比較劣位。表にして比べればいい。それだけ。

さきほど出てきた余剰分析の親戚みたいな貿易理論。ここも自由貿易時の余剰と関税後の余剰の比較が中心となるんだろうな。だいたいは関税導入後のほうの余剰が減少する。図中、関税額を示せれば死荷重も分かる。

次いで独占市場。これも余剰が最大化されないケースだね。
独占市場では、独占市場を形成する企業は価格と限界費用に乖離が発生する。つまり、完全競争企業の利潤最大化条件である価格=限界費用に当てはまらない。生産量を抑えることで限界費用も抑えられる。生産量を少なくすることで価格を吊り上げるということ。逆に生産量を増やすと限界費用は増えるから利潤は減少する。独占市場は供給量を過小にすることで価格を高めに維持できているということ。つまり、独占企業の利潤最大化条件は限界収入=限界費用だということが出来る。

独占・寡占に関連して、クールノーモデル、ベルトランモデル、シュタッケルベルクモデルと呼ばれる寡占モデルがある。これは覚えるだけ。クールノーモデルは生産量、ベルトランモデルは価格、シュタッケルベルクモデルは生産量を戦略変数とし、先導者と追随者が登場する。注意するのはシュタッケルベルクモデル。
先導者は生産量を先に決めることが出来る。追随者は先導者が決めた生産量よりも多く生産できないため、利益を得るのは先導者となり、先導者有利が成り立つ。
一方、先導者は価格を先に決めることが出来る。追随者は、先導者の価格を確認した上で自社の利益がMAXになるように価格を設定できる。すなわち、追随者有利となる。
なお、クールノー均衡およびベルトラン均衡はナッシュ均衡でもある。ナッシュ均衡については後述する。

次はゲーム理論ファミコンとかプレステみたいなゲームとはワケが違う(←古いなぁ)。

よく出るのが利得表。それに最近はゲーム理論の出題が一段落したように思えて微妙な論点の出題が見られるようになってきたと思う。ゲーム理論特有のワードが出てくるからその用語を押さえる必要もある。
囚人のジレンマ」「ナッシュ均衡」「パレート最適」「支配戦略均衡」「ミニマックス理論」「バックワードインダクション」、・・・。
ちなみにナッシュ均衡パレート最適ではない

次。屈折需要曲線。価格の下方硬直性を表すんだけれど・・・。図にすると分かるんだけど、需要曲線が屈折し、限界収入曲線が不連続になるんですよ。複雑に見える論点だけれどね。

次は独占的競争市場。この「独占的」というのは参入企業は多数あり、製品はある程度差別化されているという市場を想定している。この独占的競争市場は長期均衡に至ると利潤がゼロになる。だから新規参入が起こらなくなる。
次は参入障壁について。
囚人のジレンマは非協調ゲームだからカルテルとは言わない。またカルテルは市場への参入障壁が高いほど維持されやすい埋没費用(サンクコスト)が高いとそれが参入障壁になる。そもそも利潤がゼロの産業には新規参入は起こらない

ふ~。次は外部効果だ。スピ問は67ページだ。
外部経済はgoods、外部不経済はbadsだ。外部経済をもたらす財の供給はえてして過少。逆に外部不経済をもたらす財の供給は過大。どちらも市場での自由な取引に任せるとパレート効率的な状態は実現されない。
この外部効果の分析においても余剰の分析が登場する。そもそも負の外部経済が発生すれば余剰は減るものだ。だからどの部分の余剰が減少したかが問われる形が多い。
そこで、外部性の是正手段が登場する。外部性の是正手段はいくつかあって、税金や補助金排出権取引や合併、コースの定理などそれぞれの効果などを押さえておく必要がある。また、税金にはピグー税とか呼ばれるものや環境税と呼ばれるもの、税金の中でも従量税を課す場合と従価税を課す場合で余剰分析が異なってくるので注意が必要だ。
それと、コースの定理は少し複雑だ。まずはその定義。「交渉に費用がかからないとすれば、当事者間の所有権の設定次第で、自発的な交渉が行われ、パレート効率的な資源配分が行われる」というものだ。条件としては交渉に費用がかからないことが前提。コースの定理が成立するには所有権の設定次第、所有権の割り当てを変えたとしても実現する資源配分は変わらない。資源配分は不変ってところがポイントだ。

まだまだ続く。