自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第30話 運営管理② 生産の形態

今回は生産形態から始める。

まずは受注生産と見込生産だ。これは注文と生産のタイミングによる分類である。
受注生産は、注文を受けてから生産する形態である。JISでは「顧客が定めた仕様の製品を生産者が生産する形態」と定義される。つまり、顧客の注文に応じて設計し、製造、出荷と進める生産形態である。
受注生産での注意点は、どうしても受注生産というと、顧客の注文どおりに設計してから生産を始めるというイメージが強いのだが、受注の都度、設計しないこともある点に注意が必要だ。
次に見込生産。JISによれば、「生産者が市場の需要を見越して企画・設計した製品を生産し、不特定な顧客を対象として市場に製品を出荷する形態」と定義される。カンタンに言えば、需要を予測して受注の前に生産を行い、在庫を保有して顧客の注文に応じて販売する生産形態である。
極論すれば、完全な需要予測が出来れば、見込生産でも在庫保有をゼロに出来る。現実には完全な需要予測は不可能である。したがって、生産リードタイムを短縮し、可能な限り生産時期を消費(販売)時点に近づけるという「延期化」することで需要予測の精度を向上させる策がとられている。

続いては仕事の流し方による分類だ。
個別生産は「個々の注文に応じて、その都度1回限りの生産を行う形態」とJIS定義されている。個別生産の例として、船舶、注文建物、専用機械設備などが挙げられる。通常は1回限りの生産となるのでコストの見積もりを慎重に行う必要がある。あまりにも高額だと失注するし、あまりにもコストを下げれば実は赤字になったりすることがある。
次にロット生産。これは「品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態」とJIS定義。断続生産ともいい、個別生産と連続生産の中間的な生産形態である。何個ずつ生産するか、その単位をロットサイズ(生産ロット、またはバッチ)という。

<ロットサイジング>
 部品手配を行うとき、段取り時間、発注コスト、保管コスト、納期などを考慮して、手配する部品の数量をまとめる活動。

<内段取り>
 機械(ライン)を停止して行う段取り替え

<外段取り>
 機械(ライン)をとめないで行う段取り替え

三つ目は連続生産。
JISでは「同一の製品を一定期間続けて生産する形態」と定義されている。代表的な例として、日用品雑貨、加工食品、清涼飲料などが挙げられる。

次に製品種類の数と生産量による分類だ。
多種少量生産は多くの製品を少量ずつ生産する形態である。中小企業が最も多く採用している生産形態といわれており、その小回り性を活かせる形態である。
それに対して、少種多量生産は少ない種類の製品を大量に生産する形態である。ライン生産とも呼ばれ、連続生産する生産方式である。

次に生産形態とは違うのだけれど、こんな話題。
複数台もち作業について。複数台もち作業は二つに分けることが出来て、多工程もち作業と多台もち作業に分けられる。

<多工程もち作業>
 作業工程の流れの順に、作業者が複数の工程を受け持って行う作業のこと。
 一人の多能工の作業者が複数の工程を受け持つため、ネック工程のあとの手待ちを防止できる。またこれには習熟期間が必要となる場合がある。

<多台もち作業>
 1人または2人以上の作業者が、作業工程の流れの順に関係なく単独に加工する複数台の機械を受け持って行う作業

多工程もちと多台もちとの違いはこんなイメージだ。
多工程もちは、
カレーライスを作るのに、一人がまな板と包丁を使って材料を切り、その一人が鍋を使って炒めたり煮たり、さらにその一人が盛り付けるように1人の作業者がすべての工程を担当するイメージ

それに対して多台もちは、
一人がまな板と包丁を使ってカレーライスの材料を切り、またチンジャオロースの材料を切り、また千キャベツを切るような、1人がその場での作業を複数行うイメージだ。分かったかな?

次回は生産のプランニングというテーマに移ります。