自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第34話 経済学・経済政策⑧ スピ問マクロ 

スピ問もマクロに突入だ。実はミクロよりもマクロのほうが好きでしてマクロのほうが理解も早い。だからスピ問も消化が早かったのは言うまでもない。本試験でもマクロ分野は比較的点数が取れている。ミクロだかマクロだか識別が不能のものはともかく、マクロについてはスピ問をやる前からこれはイケるのではないかと奇妙な自信があった。

スピ問は84ページ。国民経済計算だ。
GDPです。最近はGNPとは言わないらしく、GNIというらしい。石川の経済を勉強していたときに知った。
GDPは国内総生産だから海外からの要素所得は加えない。またGDPから固定資本減耗を差し引くとNDP(国内純生産)になる。GDPは付加価値の総額であり、中間生産物額を加えない。
スピ問では三面等価の原則は載っていないのだが、三面等価は統計上無理やりにでもイコールにしているので支出面からみたGDPでは在庫金額を含めて計算している。

産業関連表。ま、これはフツーに。

物価指数。いやはや、本試験ではやられたなぁ。本当に後悔している。
GDPデフレーターはパーシェ物価指数であり、パーシェはこれくらい。あとの物価指数はほとんどがラスパイレス指数となっている。GDPデフレーターは名目GDPを実質GDPで除したもの。だからGDPデフレーターが100を超えていたら物価水準は上昇しているといえる。
ラスパイレス物価指数は、昨年の数量を今年の価格で買った場合、つまり昨年の数量を基準に物価指数を算出するもの。それに対して、パーシェ物価指数は今年の数量を昨年の価格で買った場合、つまり今年の数量を基準に物価指数を算定するもの

また物価に関連して、デフレーションは貨幣価値の上昇を意味するから債務者から債権者への所得の移動が発生する。逆にインフレーションは貨幣価値が下落するから債権者から債務者への所得の移動が起こる。つまり、インフレによって負債の実質価値は減少することになる。

景気動向指数は試験直前にアタマに叩き込むだけ。先行指数の特徴は「新」とか「在庫」「投資、機械受注、耐久」といった指標になっている。一致指数は、「販売」「出荷」「生産」「消費」など。遅行指数は、「一般消費」「税収」「完全失業率」が該当する。一般消費にはラチェット効果が働くので景気の動向よりも遅れてやってくる。

ケインズ型消費関数。ここは傾きが限界消費性向を表すこと。原点から消費関数にひいた直線式の傾きが平均消費性向を表すことを確認しよう。

ケインズ型貯蓄関数というのもあって、これは、S=(1-c)Y-A と表せる。この貯蓄関数の傾きは限界貯蓄性向であり、原点を通と直線と貯蓄関数が交わるとき、原点を通る直線式の傾きは平均貯蓄性向を表す。なお、所得=Y、独立消費=A、貯蓄=S、消費=C、限界消費性向=c、税金を考えないモデルで説明している。

乗数効果。いろんな乗数があり、導出できるのがよいのだが、経済学は時間との戦いが課題になるので各乗数をアタマに叩き込む。本試験では導出させながら出題というケースも想定しておく必要があるので導出方法だけはしっかりと学ぶ。しかし、スピ問には導出過程は出ていない。本試験を作成する試験委員はスピ問を見ているのかもしれないし(笑)、対策するに越したことはない。
ここで注意すべきは均衡予算乗数だ。スピテキやスピ問には「均衡予算乗数=1」と声高に載せているが、これには条件がある。だからその条件を見落とさないことが重要になる。その条件は、海外を考えないこと、税金は定額税であること。この条件がない限り均衡予算乗数は「1」にはならないことに注意すべきだな。なんでもかんでも「1」と飛びつかないようにしなくてはならない

次は45度線分析。
この45度線は総供給=国内所得を示す。そこに傾きが45度よりも小さい総需要曲線ADが描かれる。45度線とADとの交点が均衡GDPとして表される。勘違いしてはいけないのは、完全雇用GDPと均衡GDPは異なるのだという点。

どうしてもマクロは長くなるなぁ。

均衡国民所得
45度線分析において、AS曲線は45度線そのものだから不変。総需要曲線ADは条件が変化すると切片が上下にシフトする。減税すれば国民所得は増加。増税すれば国民所得は減少。減税は租税乗数により国民所得を増加させる。切片の上方シフトということ。増税と政府支出を同額で行った場合は乗数効果はゼロにはならないことに注意。

デフレギャップ、インフレギャップは確実に押さえよう。ちなみに完全雇用GDPを上回る国民所得はありえない

過去問をやってみると分かるのだが、スピテキやスピ問だけでは、実は本試験に太刀打ちできない場合がある。スピテキやスピ問には登場しない問題がわんさか出るのだ。学習当初はスピテキやスピ問を信じてやるだけだったが、過去問を続けるうちに過去問に収録されている解説だけでは理解が追いつかないこともあった。そのときはネットで調べたり専門書を読んでみたりしたのだがイマイチ完全理解できなかった。
本試験惨敗を受け、石川の経済で学びなおしているのもこういう事情があったからだ。

石川の経済にはISバランス論をはじめ、過去問で出題されたことのある論点が多く収録されている。あたかも、試験委員は石川の経済を参考に主題しているのではないかと思えるくらいだった。
とはいえ、石川の経済は国家Ⅰ種をはじめとする国家試験対策テキストのような位置づけだから出ていて当然かもしれないけれど。

ともあれ、経済学をスピ問を中心に学習していた頃は、「これはまぁまぁイケるのではないかな」と淡い期待を抱いていた。
現実は違った。

石川の経済の存在にもっと早く気づくべきだった。
いや、石川の経済にすがるべきだった。