自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第36話 経済学・経済政策⑨ 金融政策

え~、では~、続きですが~、今日はぁ~、IS曲線から始めますぅ~。
だんだんラリってきたのが自覚できるな。あかんあかん。

 

IS曲線は財市場が均衡する国民所得と利子率の組み合わせの集合だ。スピ問ではいきなりIS曲線の導出の問題から始まっている。

財市場の分析では利子率は一定と仮定したけれど、IS曲線を考えるときは利子率の動きも同時に考えなくてはならない。利子率が低下すると投資は増える投資は利子率の減少関数だ。
IS曲線は、投資の利子弾力性が大きいとき、傾きが緩やかな形状となる。なお、このときは限界消費性向が大きいとき。
逆に、投資の利子弾力性が小さいとき、IS曲線は傾きが急な形状となり、限界消費性向は小さい
投資の利子弾力性がゼロのとき、IS曲線は垂直となる。利子率が下がっても投資が増えない
またIS曲線が平行なときは利子弾力性は無限大という。

次にこのIS曲線のシフトだが、政府支出を増加させたり減税したりするとIS曲線は右にシフトする。
逆に政府支出を減少させたり増税したりするとIS曲線は左にシフトする。

スピ問はここで金融政策の効果のページになる。

法定準備率を引き上げると、市中銀行中央銀行に預ける貨幣が増加する。すなわち信用乗数が低下するので貨幣供給量は増えない。金融政策は貨幣供給量を増やしてナンボの世界があるからね。
ハイパワードマネーは直接中央銀行が供給した貨幣のこと。言い換えると、ハイパワードマネーは、中央銀行が供給した現金に中央銀行に預けた準備金との和だ。
ちなみに現在は公定歩合操作はアナウンス効果でしかなく、公定歩合操作は信用乗数を変化させない
ハイパワードマネーは、マネタリーベースとかベースマネーとも言う。

LM曲線。
LM曲線とは、貨幣市場が均衡する国民所得と利子率の組み合わせの集合だ。
LM曲線よりも下の領域は超過需要。だから上の領域は超過供給。物価水準が上がるとLM曲線は左シフトする。
貨幣需要の利子率弾力性が大きいほど、LM曲線の傾きは緩やかになり、貨幣需要の所得弾力性が大きいほど、LM曲線は傾きが急になる。
スピ問105ページは少しだけ難しいかも。
実質貨幣供給曲線は垂直な曲線となる。名目貨幣供給量は中央銀行が政策的にコントロールしているので一定。また、貨幣市場の分析では物価を一定と仮定しているので、実質=名目÷物価水準より、実質貨幣供給量は一定だといえる。すなわち、垂直な曲線となるわけ。
よって、実質貨幣供給量が一定であるとき、貨幣需要が増えると、利子率が上がることになり、LM曲線は右上がりの曲線を描くわけだ。
つまりは、同じLM曲線上のどの点においても実質貨幣供給量は同じであるといえる。

利子率が最低の水準で誰しも利子率はこれ以上下落せず、後は上がるだけと考えている状況では、債券価格は最高で、誰しもこれ以上は上昇せず、後は下がるだけだと考えている状況である。このときすべての人が債券を売って、貨幣を需要しようとしているので資産需要はきわめて大きくなる。このような最低限の利子率の状況を流動性のわなという。
なお、経済が流動性のわなにあるとき、LM曲線は水平に描かれる
流動性のわなとは、債券に魅力がない状態で、皆が貨幣を欲しがる状況のこと。誰も債券を買おうとしないから利子率が上がりもせず下がりもせず。

この後、スピ問はIS-LM分析に入るのだが、その前にIS-LM均衡について補足する。IS-LM均衡とは、財市場と貨幣市場が同時に均衡する利子率の組み合わせの集合だということ。おわり。

金融政策や財政政策の効果をIS-LM分析にて確認する問題が107ページから始まる。

IS曲線は租税の減少つまり減税時には右にシフトする。政府支出の増大はISの右シフト。マネーサプライを増加させるとシフトするのはLM。右シフトするね。物価水準が下落するとシフトするのはLM曲線。

投資の利子率弾力性が無限大のとき、ISは水平。限界消費性向が大きいほどISは緩やか。貨幣需要の利子率弾力性が大きいほどLMは緩やか。貨幣需要の所得弾力性が小さいほど、LMはゆるやか。

投資の利子率弾力性がゼロのとき、拡張的財政政策を行うと、クラウディングアウトは100%起こらないので国民所得は増加する。弾力性ゼロだからLMとの交点が利子率上昇を示しても投資は増えない。したがって、クラウディングアウトは起こりようもなく、財政政策の効果は大きい。
一方、貨幣需要の利子率弾力性がゼロのとき、拡張的財政政策を行った場合、100%クラウディングアウトが起きるので国民所得は増加しない。

次は金融政策の効果をIS-LM分析してみる。スピ問では断片的に出題されているので少々整理しにくいところがあるからね。
ここでは金融政策の効果を三つに分けて考える。
1) 通常のケース
 通常のケースとは、IS曲線は右下がり、LM曲線は右上がりというケースだ。
金融緩和策を実施すると、名目貨幣供給量が増加するのでLM曲線は右シフト。利子率は低下し、投資が増えるため、国民所得が増加する。
2) 流動性のわなのケース
 流動性のわなのケースは、IS曲線は右下がり、LM曲線に水平な部分があるケースだ。このケースでは金融緩和策を行うと、LM曲線が右シフトする。しかし流動性のわなのケースでは、すでに利子率は下がりようがないため、貨幣供給量を増やしても利子率が下落せず投資は増えないので国民所得も増加しない。つまり、効果なし。
3) 投資の利子弾力性がゼロのケース
 このケースはIS曲線が垂直なケースだ。金融緩和策をおこなうと、LM曲線が右シフトし、利子率が下落する。
しかし、そもそも投資の利子弾力性がゼロなので、利子率が下落しても投資は増えず、結果、国民所得も増加しない。つまり、無効。

金融政策をIS-LM分析すると、金融緩和策は効果がなく、無効であることがわかる。

アベノミクス」は金融政策ですけど・・・?

 

続く。