第37話 運営管理⑥ 生産計画
今回は生産計画と生産統制の話だ。
生産計画は、生産量と生産時期に関する計画だとJISで定義しているが、それは日程的に大日程計画、中日程計画、小日程計画と分けられるとしている。大日程計画はおおよその計画期間を6ヶ月~2年とし、中日程計画は1ヶ月~3ヶ月。小日程計画に至っては1日~10日としている。さらにそれぞれの期間で仕事の構成要素の順位付けをしていく必要もあり、それを生産スケジューリングと呼んでいる。
スケジューリング方法については、フローショップスケジューリングとジョブショップスケジューリングがあり、それぞれ代表的な方法として、前者はジョンソン法、後者はディスパッチング法がある。
また、この節では多数の作業からなるプロジェクト(以下、PJ)において、個々の作業とPJ全体の日程を管理する方法を紹介している。まずは、ガントさんという人が考案したガントチャート。縦軸にタスクの内容、横軸に時間とし、PJ全体を把握するために有効な手段とされている。しかしながら、PJの規模が大きく、かつ複雑な場合や作業間の前後関係の把握が難しい場合には不向きとされている。
また、PERTと呼ばれるスケジューリング手法の紹介もある。詳細は割愛。
PERTを用いると、アクティビティ間に定められた遂行順序に従ってアクティビティを連結し、一つのアローダイヤグラムを作成するが、最小の投下費用でPJ全体の期間短縮を実現する策を検討することができる。これは「クリティカル・パス・メソッド(CPM)」と呼ばれる。
CPMでは、PJの工期を短縮する場合にはクリティカルパス上を短縮する。クリティカルパスを短縮した場合、クリティカルパスが別のルートに変化する場合もある。
本試験では、実際のクリティカルパスを選ばせたり、所要時間を求めさせたり、手を動かさないと答えられないような問題が出題される。
次の話題は需要予測。
完璧な需要予測は困難だが、代表的な需要予測の方法を挙げてみる。
<移動平均法>
過去の任意の観測地を需要量の予測値として用いる方法。単純移動平均法と加重移動平均法の2つがある。
単純移動平均法はフツーに平均値を求める方法。
加重移動平均法は実績データに異なる重みを付けてその平均値を求める方法だ。
<指数平滑法>
観測地が古くなるにつれて指数的に重みを減少させる重み付け移動平均法のこと。
Ft ; t 期の予測値
Ft-1 ; t-1 期の予測値
St-1 ; t-1期の実績値
α ; 平滑化定数(0<α<1) とするとき、次の式で求めることが出来る。
Ft = Ft-1 + α(St-1-Ft-1)
<線形計画法>
目的関数と制約条件を数式で表し、その条件下で目的関数を最大化(または最小化)する解を求める方法。
この線形計画法の特徴は、解の領域は、必ず凸型多角形にあること。求める解は凸型多角形の頂点のいずれかであること。
次の話題は生産統制の話。
生産統制とは、生産計画を計画通りに実施できるように生産活動を制御していくことで、計画に対して生産の進行状況を把握して差異がある場合には、即座に対応策を実施し差異を解消させていくこと、である。
具体的には次に三つに分けられる。
<進捗管理>
管理対象は日程(時間)。仕事の進行状況を把握して、日程を維持し、そのための調整を行うこと。
<現品管理>
管理対象はモノ。特定時点におけるモノの所在位置と数量を確認し、生産数量や在庫調整を行う。
<余力管理>
管理対象は工数。人と機械能力と負荷を調整する。
このあたりは難しいことはない。
基本は暗記だ。
続く。