自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第49話 運営管理⑫ 品質管理

今回は品質管理の話。品質管理って運営管理で扱うんだね。ま、品質は工程で作りこむとかいうし。

運営管理で扱う品質管理はとても散文的なものだ。ざっくりと概観してみることにする。

QCの七つ道具
1.パレート図
 項目別に層別して、出現頻度の大きさの順に並べるとともに、累積和を示し、累積比率を折れ線グラフで示した図不良の原因を追究し、その原因を除去する解析アプローチだ。
2.チェックシー
 ピッピッピって線を描くだけ。
3.ヒストグラム
 データの分布状態を把握するために用いる図で、データの範囲を適当な間隔で分割し、データを集計した度数分布表を棒グラフ化したもの標準偏差(バラツキ)とか平均値を見たりとか。
4.散布図
 2つの特性を横軸と縦軸とし、観測地を打点して作るグラフ。2つの特性の相関を解析する場合に用いられる。

5.管理図
 連続した量や数値として測定できるデータを時系列に並べ、これが異常かどうかの判断基準となる管理限界線を記入した管理図表工程が安定した状態にあるかどうか調べるためや、工程を安定した状態に保持するために用いる。管理図にはいろいろ種類があるようだ。
  ・xバー-R管理図 → 平均値と範囲で中心値のズレやバラツキを監視
  ・x管理図 → サンプルの個々の観測値を用いて工程を評価
  ・s管理図 → 群の標準偏差を用いて工程の分散を評価
  ・p管理図 → 不良率を管理
  ・np管理図 → 不適合品数を用いて工程を評価
  ・c管理図 → サンプルに生起した不適合数を用いて工程を管理
  ・u管理図 → サンプルの単位あたりに生起した不適合数を用いて工程を評価
  とてもじゃないけど、覚え切れない・・・。
6.特性要因図(フィッシュボーンチャート)
 ある結果をもたらす一連の原因(要因)を階層的に整理する。視覚的に表現できる
7.層別
 母集団をいくつかの層に分割すること

QCの七つ道具は使いこなそうとすると奥が深いんだろうなぁ。

QCの七つ道具は、発生した不良の原因を追究し、その原因を除去することで工程の改善を図っていく解析アプローチである。
それに対して、複雑に絡み合った要因を、あらかじめ予測して因果関係を整理する設計的アプローチとして、新QCの七つ道具というものがある。
QCの七つ道具は、定量的データを使用することが多い反面、新QCの七つ道具のほうは、どちらかといえば、定性的な情報をもとにして使われることが多いところに特徴がある。

新QCの七つ道具
1.親和図
 多数の散乱した情報から、言葉の意味合いを整理して問題を確定する手法
親和傾向のある(似たような分類が出来る)データをグループ化し、共通点を導き出したり、新しい発想を得たりする。
2.連関図
 解決すべき問題の原因を探る手法
問題の発生原因が複雑に絡み合っているときに、その因果関係を明確にすることで原因を特定する。
3.系統図法
 目的と手段を多段階に展開する手法。手段や方策をツリー状に展開する。
4.アローダイヤグラム
 PERTで使用される表記法。
5.DPC法(プロセスデシジョンプログラムチャート;過程計画決定図)
 問題や不測の事態が生じた場合の対応策をあらかじめ検討しておき、それに沿って行動または新しい方法を考えること
6.マトリックス図法
 多くの目的や現象と、多くの手段や要因のそれぞれの対応関係を多元的思考により問題点を整理して行列形式に並べ、相互の関連の程度を整理する手法。
7.マトリックスデータ解析法
 複雑に絡み合った問題の構造を解明するために、問題に関係する特性値間の相関関係をてがかりに少数個の総合特性を見つけ、個体間の違いを明確にする手法。この解析法は数値データを利用するところに特徴がある。
基本的に新QCの七つ道具も覚えることが中心となりそうだ。

 

検査について。これはJIS定義の紹介は割愛してもいいだろうね。

検査には、受入検査、工程間検査、完成品検査、出荷検査など検査時期による分類ができる。検査対象による分類では、全数検査や抜取検査などがあり、ここでは全数検査と抜取検査を取り上げる。

全数検査は文字通り、全てのアイテムに対して検査を行うことだ。不良品を確実に発見できるメリットがある一方で、手間とコストがかかるというデメリットもある不良品の流出によって重大な事故が想定される場合には全数検査を実施するのがよい。
抜取検査製品のサンプルを用いる検査で、手間とコスト削減できるというメリットがある。しかしながらロットの中に不良品が混ざってしまう可能性が残ってしまう
このように全数検査と抜取検査はそれぞれに長短があるわけ。

抜取検査では、たとえば、10,000個というロットに対してそのうちの100個が抜取検査対象だとすると、1%が検査対象だということになる。不良率2%以下を判定基準だとすると、抜取検査した100個のうち3個が不良だったなら不良率は3%。ここで不良率は2%以下としているため、判定は不合格ということになる。これってどう考えたらよいのだろうか?
残りの9,900個に不良品がなかったとしたら、当該ロットの不良率は0.03%となり、判定基準をクリアして合格のロットとなる。抜取検査でたまたま3個見つかったことで残りの良品を不良品にしてしまうというリスクを「生産者危険(第1種の誤りとかタイプⅠエラーとかいう)」という。つまり、サンプル誤差により生産者が損をするということである。

逆に、抜取検査した中に不良品はなかったが、残った9,900個の中に不良品が200個あったとすると、抜取検査では合格ロットなのに、実は不合格だったということになる。検査で合格にしているので、検査対象ではない9,900個が流出してしまい、不良品を含んだロットを消費者が受け入れなければならないことになる。このような事象が起こる確率を「消費者危険(あるいは第2種の誤りとかタイプⅡエラーとかいう)」という。これはサンプルの誤差により消費者が損をするということである。

ISOについて。
ISOにはいくつかシリーズがある。ここではざっくり分類できるといいだろう。
 ・ISO9000シリーズ → 品質マネジメントシステム
 ・ISO14000シリーズ → 環境マネジメントシステム
 ・ISO22000 → 食品安全を目的としたマネジメント規格
※食品には「HACCP(ハセップ)」と呼ばれる管理手法が存在していた。

品質管理分野はここで終わる。
次は設備関連。