自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第63話 運営管理⑲ 陳列

陳列什器の続きでございます。
今日はショーケースから始めます。

通常はガラスケースで高さが低いものは商品の陳列のほか、接客用のカウンターにも利用できる。また冷蔵・冷凍ケースなどは、陳列と同時に在庫(保管)機能も持つ。

<クローズドケース>
 正面(前面)も含めてガラスで囲まれているタイプのショーケース。顧客は自由に商品を手に取ることが出来ないが、高級感の演出、商品の保護には有効。

<オープンケース>
 正面(前面)にはガラスがなく、空いているタイプのもの。顧客は自由に商品を手に取ることが出来る。

<リーチインケース>
 前面にガラス扉の付いた冷蔵・冷凍庫。商品の補充も前面の扉を開けて行う。CVS(コンビニエンスストア)で冷凍食品などに使われている。リーチインクーラーともいう。

ウォークインケース
 ケースの後ろがそのまま大きな冷蔵庫になっている。清涼飲料やビールなど箱ごと、ケースごと冷やしておくことが出来る。商品の補充は定員がこのケース内に入り、裏側から行うため、先入先出しが容易

<ハンガー台>
 衣料品売り場で必ず使う什器。1列式、2列式、丸型、傾斜型など多種類ある。

<カウンター>
 文字通り、カウンター。

次は商品陳列の種類や手法について。
陳列の分類。陳列は大きく量感陳列と展示陳列に分けられる。
<量感陳列>
 商品をまとめて陳列し、そのボリューム感、豊富感によって顧客の購買意欲を刺激する陳列方法。食料品などの最寄品の陳列に利用される。

<展示陳列>
 特定のテーマを決めて、それにあわせた商品構成、全体のフォルムなどを演出していく陳列方法。陳列に手間がかかるため、基本的には利益率が高い買回品の陳列に利用される。

次は陳列手法。
いろいろとあるので知っているとスーパーにいくと楽しいです。
エンド陳列
 ゴンドラの一番端っこ(エンド)、衣料品ではハンガーの端っこの場所での陳列手法。通常、特売品や目玉商品などをボリューム感いっぱいに陳列する。顧客をひきつけるマグネット効果があり、非計画購買を誘導することが出来る。

ジャンブル陳列
 投げ込み陳列のこと。特売品の陳列に向いている。投げ込みなので陳列の手間が少なく、移動もカンタン。ただし、高額商品には不向き

<島出し陳列
 部分的に通路上にはみ出させて陳列する手法特売品の陳列。陳列に変化があり、活気も出るが通路を狭くしてしまうので利用には注意を要する。

平面陳列
 商品を平面的に並べる方法。気軽さ、気安さを与える。鮮魚売り場や野菜売る場など低価格かつ日常的な商品に適している。

ステージ陳列
 主として展示陳列が行われる場所で、店内誘導、巡回性に効果がある位置にステージを設置した陳列方法。

ゴンドラ陳列
 定番商品を主体に陳列し、多数のアイテムを顧客にアピールする目的で採用される。フェイスを揃えやすく、在庫数量の把握など在庫管理が実施しやすいうえ。商品が崩れにくく傷みにくいという利点がある。その一方で、商品補充と商品の前出しを怠ると、空スペースが生じて商品陳列が乱れてしまうという欠点がある。

カットケース陳列
 陳列什器を使わずに商品が入っていた箱をカットし、そのまま陳列する手法。ディスカウントストアなどではよく使用される。陳列の手間が少なく、フレッシュさや安さを訴求する効果がある。

<レジ前陳列>
 エンド陳列を小さく変形したもので、購買顧客が必ず通過するレジ前に陳列する。顧客の目に付きやすく、ついで買いを誘発する効果がある。あえて高利益率の商品を陳列することで店舗全体の利益率の向上が期待できる。

商品の陳列には意味があって、店側の狙いがわかるのが陳列なんですね。
だからレジ付近の商品は、本当に「ついで買い」を狙った高利益率商品を置いておくことが多いので、店側の思惑に乗ってしまってはダメですよ(笑)

最後に陳列の注意点について。
当然のことだが、陳列は顧客の手が届く範囲で行うべきであり、その範囲を有効陳列範囲と呼んでいる。
有効陳列範囲のうち、特に最も顧客の手が届きやすい位置を「ゴールデンゾーン」という。当然、男女でゴールデンゾーンは異なる。

フェイシング管理。
フェイスは商品の顔のこと。フェイス数とは顧客の目に見える商品(面)の数のこと。
フェイシングに関する留意点は次のとおりだ。
まず、重点商品のフェイス数は多くすること。見た目の量が大きくなれば売れる量も増える。ただし、フェイス数を5倍にすれば売上も5倍になるかといえばそういうものでもない
次に売上実績データに基づいて随時見直すことが大切だ。さらに商品ごとに“最適な面”をフェイスにすることが必要で、商品ごとにどこから見せるのがもっともその商品をアピールできるかを考慮したうえで陳列する。

縦陳列。
縦陳列とは、同一種類、同一ブランド、同一グループなどの商品を縦に割り付けること。一般的に顧客の買い物中の視線は、横に流れることが多いため、商品群を縦に並べたほうが視線をとめやすく、商品を見つけやすいという効果が高い。縦陳列することで、そこに視線を集めさせ、さらにそこに重点商品を置くことで売り上げ増が期待できる。

こういうことを知るとその店の販売戦術みたいなことが知れて楽しくなります。
陳列方法を見ながら、「この店はコレを売りたいと思っているんだな」とか「コレが売れ筋なんだろうな」といったようなことが分かってきます。なかなか店舗管理の学習は実生活に役に立ちます。

続く。