自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第75話 運営管理25 ISMとISP

店舗管理の10回目でございます。先が見えてまいりましたが今回は店舗管理のキモの部分でございまして出題可能性も高いところであります。運営管理は1問2~3点という問題が多く、出題数も多い中で出題が多い感じですから頻出事項といっても過言ではございません。では、さっそく参りましょう。ISMの体系です。

<ISMの体系>
 A インストアプロモーション(ISP)
  A-1 非価格主導型
  A-2 価格主導型
 B スペースマネジメント
  B-1 スペースアロケーション
  B-2 プラノグラム

A インストアプロモーション(ISP)
 小売店頭において、単なる情報提供に終わらず、ライフスタイル等に関する積極的な提案を行うことにより、顧客の動機形成や意思決定の過程に直接影響を及ぼそうとする活動。んー、長い。
 要するに、店内における販売促進活動のことをいうわけだ。これは非価格主導型と価格主導型に分類できる。
 非価格主導型には、CMD(後述)やノベルティ、デモ販売などが挙げられ、価格主導型には値引きやクーポンなどが挙げられる。
 値引きなどの価格主導型ISPを実施する場合には需要の価格弾力性が高いカテゴリやアイテムに絞って実施する必要がある。価格主導型のISPは消費者の購買意欲を刺激するには有効であるが、価格訴求への依存はさまざまな影響を与えることが知られている。その一つに「参照価格の低下」がある。
参照価格
 消費者の過去の購買経験によってつくられている記憶による価格。いわゆる消費者が把握している“底値”
消費者は表示価格が参照価格を下回ったときに購入しようとする。

CMD(クロスマーチャンダイジング
 カテゴリに拘らず関連商品を併せて陳列することで売上拡大をはかる販売手法
このCMDは、特定のテーマのために、単品商品ではなく、関連商品を含めた品揃えと演出で販売することである。焼肉、であれば、焼肉のタレやサンチュといったように多様な商品のコーディネートによって対応する。

スペースマネジメント
 売場スペースを最大限に活用し、売場生産性を向上させる手法

顧客1人あたりの自店での買上金額が客単価であり、次の要因で決まるとされている。
 動線長・立寄率・視認率・買上率・買上個数・商品単価
客単価(買上金額)はこれらの積で決定するとされ、各要素のポイントを高める一連の工夫を総称してスペースマネジメントと呼んでいる。

LSP( Labor Scheduling Program )
 誰が何時から何時までにどの作業をどれくらい行うかを決める計画で、作業割当計画ともいう

LSPの目的は人件費を増加させないで顧客サービスを向上させること。ISMは売上の増大を目的とするが、小売店において売上の増大と併せて粗利益の増大も目指すから、そういう意味では人件費の削減も在庫の削減も重要な要素となる。つまり売上原価を低減させることにつながる。

<カテゴリマネジメント>
 カテゴリを戦略的ビジネス単位として管理していくこと。
 消費者に価値を提供することに集中することによって業績を改善していくこと

カテゴリマネジメントは、ブライアン=ハリスさんという人が提唱した概念と言われる。ブランドや商品ライン、アイテムといった単位ではなく、消費者の視点に立って商品カテゴリを組み立て、それを戦略的なビジネス単位として消費者に提案し、消費者の購買促進や販売側の管理体系をつくろうとする経営概念のことである。つまり、「消費者にとって意味のある購買単位」をカテゴリと考え、消費者に提案するということだ。
商品によって、購入のされ方は異なるが、関連購入の比率は高い。そのため、ニーズに着目したカテゴリマネジメントにより買上点数が増加し、客単価さらには売上高が増加するという結果につながる。
目的買い : 売上構成比の5~10%
関連買い : 売上構成比の約55~65%
季節買い : 売上構成比の5~10%。
ついで買い : 売上構成比の25~30%

スピテキでは非常にあっさりとした書き方をしていたが、過去問では出題が多かった。ISMは客単価の増大が目的であることを理解できれば残りはさほど難しくもない内容だから体系的に関連付けて学習するようにした。

店舗管理のキモが終わった。もう少しだ。
続く。