自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第114話 中小企業政策② 基本はカネ貸し

 今回は具体的な施策を詳細に見ていきます。
2015年度には小規模企業白書というのが初めてリリースされているんだよなぁ。すっと、小規模企業白書からの出題が考えられるな。残念ながらスピテキには掲載がないから、新しい版のスピテキを購入する必要があるかもしれない。
それでは始めましょう。

1.資金供給の円滑化および自己資本の充実
 やはりなんやかんや言ってもカネでしょう(笑) いろいろと中小企業には資金供給の多様化に関する施策が用意されている。
1)株式会社日本政策金融公庫
 一般の金融機関が行う金融を保管する形であり、全額政府出資の金融機関である。

 ●日本政策金融公庫 → 全額政府出資

 日本政策金融公庫は、小規模企業や創業企業等への事業資金の融資を行う国民生活事業や、中小企業の事業の振興に必要な資金であって、民間金融機関が供給することがm図化しい長期固定金利事業資金を安定的に供給する中小企業事業等を行っている。国民生活に深くかかわる国民生活金融公庫農林漁業金融公庫中小企業金融公庫の合わせて3つの政策金融機関が統合されて発足した。
公庫の本店で融資を行う直接貸付と、代理店の窓口から融資する代理貸付とがある。
また、小規模企業活性化法に伴い改正され、債務の株式化(DES)が日本政策金融公庫の業務に追加された。

 ●DES → 起業の債務を起業の資本にスワップすること

2)商工組合中央金庫商工中金
 中小企業等協同組合その他主として中小規模の事業者を構成員とする団体に対する金融の円滑化を図るための金融機関。政府と民間団体が共同で出資する唯一の政府系金融機関。他の政府系機関に比して民間金融に近い性質を持つとされ、多くの政府系金融機関が融資のみに特化した機能を持つなか、預金の受け入れ、債券の発行、国際為替、手形を通じた短期金融など、「幅広い総合金融サービス」を行っている。

 商工中金 → 政府と民間団体が共同で出資する唯一の政府系金融機関

2.信用補完制度
 担保力や信用力が劣る中小企業者への事業資金の融通を円滑化することを目的に、中小企業の信用力を補完する制度。信用保証制度と信用保険の2つからなる。

1)信用保証制度
 カンタンにいえば、信用保証協会が保証人になってあげますよ、という制度。
たとえば、民間金融機関に融資を断られた中小企業者に対して、信用保証協会が債務保証を行い、金融機関に融資してもらう。万が一、中小企業者が返済困難になった場合、信用保証協会が金融機関に代位弁済する(中小企業者に代わって弁済する)。代位弁済した後で、信用保証協会は中小企業者に対して債権回収する。なお、後述するが、信用保証協会が代位弁済した後は日本政策金融公庫から信用保証協会へ保険金が支払われる仕組みになっている。

 ●信用保証協会 → 融資を断った金融機関に「オレ様が肩代わりするから融資してやってよ」といえる

 なお、債権債務の関係を電子記録化した、手形や売掛債権とは異なる新しい金銭債権を電子記録債権というが、この電子記録債権の割引等に対する保証が創設されている。

 ●信用保証協会の補償限度額(原則)
  普通保証 → 2億円
  無担保保証 → 8,000万円
  無担保無保証人保証 → 1,250万円
  ※無担保無保証人保証は小規模企業が対象
  ※当然に利子がつきます

 ●小規模企業者 → 従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)

2)信用保険
 信用保証協会と日本政策金融公庫との間で、保証債務について保険契約を締結し、保険事故発生の場合には、日本政策金融公庫から保険金が支払われる仕組み。
 信用保証協会が代位弁済した後、日本政策金融公庫から代位弁済額の70~90%が支払われる

3.主な融資(貸付)制度
 ここでは日本政策金融公庫が融資する制度を中心に取り上げる。だってスピテキがそうなっていたからさ。

1)セーフティネット貸付制度
 一時的には資金繰りに支障をきたしているが、中長期的には回復が見込まれる中小企業に対する融資制度
 融資するのは、日本政策金融公庫。

 セーフティネット貸付制度 → 日本政策金融公庫が貸付

①経営環境変化対応資金 → 社会的、経済的環境の変化
②金融環境変化対応資金 → 金融機関との取引状況の変化
③取引企業倒産対応資金 → 関連企業の倒産
 これらの融資は限度額や融資対象、基準利率、貸付期間が異なる場合がある。

2)担保を不要とする融資制度
 第三者の保証や担保の提供を不要とする融資制度。
 融資するのは日本政策金融公庫。

 ●担保不要融資 → 日本政策金融公庫が貸付

 なお、個人事業者は無担保・無保証人となるが、法人は、原則、代表者の保証のみ必要

 ●担保不要融資 → 個人は無担保・無保証人。法人は代表者の保証必要

 融資の対象は、税務申告を2期以上行っていて、原則として所得税等を完納していること。また、元本の支払が猶予される(据え置かれている)据置期間が設けられている。この期間は利息のみの支払となる。

 ●担保不要融資の融資制度
  対象資金 → 設備資金および運転資金
  貸付限度額 → 4,800万円
  貸付期間 → 設備資金:15年以内(うち据え置き期間2年以内)
         運転資金:5年以内(うち据置期間1年以内)


3)新創業融資制度
 これから創業する者や税務申告を2期終えていない者に対して、事業計画(ビジネスプラン)等の審査を通じ、無担保・無保証人で融資する制度融資するのは、日本政策金融公庫

 ●新創業融資制度 → これから創業する者、税務申告を2期終えていない者
           無担保・無保証人。事業計画等の審査あり

融資の対象は、①~③のいずれかに該当すればよい。①雇用(パート含む)創出を伴う事業を始める者、②技術やサービス等に工夫を加え、多様なニーズに対応する事業を始める者、③上記①②のいずれかによって創業した者で、税務申告を2期終えていない者
なお、創業前または創業後税務申告を終えていない者は、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が確認できることが必要となる。

 ●新創業融資制度
  対象資金 → 設備資金および運転資金
  貸付限度額 → 3,000万円
  貸付期間 → 設備資金:15年以内(うち据置期間2年以内)
         運転資金:7年以内(うち据置期間1年以内)

4)女性、若者/シニア起業家支援資金
 女性、若者(30歳未満)、高齢者(55歳以上)の者であって、新規開業して概ね7年以内の者を優遇金利で支援する制度。融資するのは、日本政策金融公庫である。
  ●女性、若者/シニア資金 
  → 30~54歳までの男性は不可。7年以内の女性なら誰でもOK

 対象資金設備資金、運転資金いずれもOKで、貸付限度額や貸付期間などは条件によっていろいろ。たぶん覚える必要はないかも。仮に出ても捨てるだろうな。

4.主な保証制度
 信用保証協会が行う主な保証制度としては次のようなものがある。

1)セーフティネット保証制度
 取引先の倒産、自然災害、取引金融機関の経営合理化等により経営の安定に支障をきたしている中小企業について、一般の保証枠とは別枠で保証を行う制度。経営の安定に支障をきたしているかどうかの認定は、事業所の所在地を管轄する市町村長(または特別区長)が行う

 セーフティネット保証 → “別枠”がキーワード

 確か、日本政策金融公庫が融資するセーフティネット貸付制度というのがありましたね。その貸付とは“別枠で”保証限度額を設定してもらうことが出来ます

 セーフティネット保証
  普通保証 → 2億円 プラス 別枠で 2億円
  無担保保証 → 8,000万円 プラス 別枠で 8,000万円
  無担保無保証人保証 → 1,250万円 プラス 別枠で 1,250万円

2)流動資産担保融資保証制度(ABL保証制度)
 中小企業者が保有している売掛債権や棚卸資産、電子記録債権を担保として金融機関が融資を行う際に債務保証を行う制度。
ただし、棚卸資産を担保に出来るのは法人に限られる。また、法人は原則として代表者の保証が必要

 ●ABL保証制度 → 売掛債権や棚卸資産、電子記録債権を担保
 ●ABL保証制度 → 棚卸資産を担保に出来るのは法人のみ。代表者の保証必要
 ●ABL保証制度
  保証限度額 → 2億円
  保証割合 → 80%


 ここまで融資制度等について概観しました。基本は暗記なんです。どんだけ整理しながら、または関連付けながら暗記できるかではないかなと思います。っつうか思いました。でも苦手意識はほとんどなかったです。情報の横文字ばかりに比べればラクチンですな。

続く。