第135話 経営情報システム26 パッケージソフト
今回はパッケージソフトについて、から始めます。
著者が勤務する会社もパッケージソフトを使用しています。結局、どんなソフトを使おうがそれは運用する人間次第であることが分かります。たいがいは、今までの仕組みや手順に拘泥し、新しいソフトウエアに合わせようとしない輩が存在します。システムに倣って運用を変えるべきなのに従前のやり方と異なるがために、「このソフトだダメだ」だの「このシステムは悪い」だの言うような始末。少しは勉強してもらいたいと思う。
1.パッケージソフトの特徴
言うなれば“既製品”だから自社の業務に出来るだけ合ったものを選ぶ必要がある。どうしても乖離する場合には自社の業務内容を変更する必要がある。また、既製品だから短期間での導入が可能だし、実績のあるものをチョイスすることも可能だ。だから工数をかけて自社開発するよりも安く仕上がるし、メンテナンスも容易だ。
●パッケージソフト → なるべく自社の業務に合致するものを選ぶ
2.パッケージソフトのメリット
まずは短期間での導入が可能なこと。次に開発リスクが少ないこと。最後にコストが安いことが挙げられる。
3.パッケージソフトの留意点
一方で、留意点もある。
①自社の環境や業務に適合したものを選ぶ
パッケージソフトの基本は、出来るだけそのまま使うこと。
②機能の拡張性や制約について評価項目に加える
ソフトウエアはハードウエアに比べて寿命が長い。したがってある程度先のことも考える必要がある。
③既存システムとの連携が可能なものを選ぶ
アプリケーション間においてデータのやり取りが発生しているものがある場合、出来るだけ相性のよいものを選択する。
次に、パッケージソフトの一種であるERPパッケージについてみてみよう。
4.ERPパッケージ
ERPとは、Enterprise Resource Planning の略であり、生産や販売、在庫、財務・会計、人事といった企業内の経営資源を一元的にリアルタイムで管理していく経営概念。ERPパッケージは、そのERPを実現するためのパッケージソフトである。「統合型業務パッケージソフトウエア」とも呼ばれる。
●ERPパッケージ → パッケージに適合するように自社業務を変更すること、がポイント
ERPは、開発期間が短期間であり、保守も容易。ベストプラクティスのノウハウを活用できるため、出来る限り自社の業務内容を変更し、ERPパッケージを活用することが望ましい。パッケージに手を加えると、修正や追加分だけの期間は長くなり、コストも増える。ベンダが用意する次期のバージョンをそのまま反映できなくなる。自社の業務にあわせるほどパッケージソフトのメリットを享受できなくなる可能性が高くなる。
●ERP → 自社業務に合わせるほどそのメリットを享受出来ない
5.EAI(Enterprise Application Integration)
企業間あるいは企業内の異なる部門間の業務アプリケーションやシステムを統合して1つのシステムとして活用するための仕組み。
メインフレームやERPパッケージ、個別の業務アプリケーションなど、異種システムはデータを入出力するインタフェースが異なるため、EAIによりそれらを結び、互いにデータの受け渡しを可能にする。
EAIはミドルウエアで、主要なメインフレームや業務パッケージのインタフェースを予め備えており、複数のシステムを効率的に連携することが出来る。
●EAI → ミドルウエア。異種システムのかけはし
6.ライセンス契約
ソフトウエアの使用許諾権に関する契約のこと。
①サイトライセンス契約
使用場所などを限定した契約。1事業所内、1部署内など特定の場所内であれば、インストール台数や同時ユーザ数に制限がなく使用が許可できる契約。
②ボリュームライセンス契約
インストール台数や同時ユーザ数を限定した契約。マスタソフトウエアが1本提供され、許可された台数までインストールしたり、許可された人数まで同時に使用したりすることが出来る契約。
とりあえず、ここまでで一区切り。ソフトウエア関連が終わった。
続く。