自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【21年度 第1問】

【平成21年度 第1問】
期末の決算整理前残高試算表と決算整理事項(単位:千円)は次のとおりである。当期の純損益として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。

      決算整理前残高試算表
借方      勘定科目        貸方
  5,000      現金
 15,000     当座預金
 30,000     売掛金
        貸倒引当金       1,000
  6,000     繰越商品
 12,000      備品
      備品減価償却累計額     5,400
         買掛金        7,600
         借入金        18,000
         資本金        40,000
          売上           68,000
 57,000      仕入
 11,000      給料
  3,000      支払家賃
  1,000      支払利息
140,000                140,000

決算整理事項:
① 商品の期末棚卸高は8,000である。
② 売掛金の残高に対して4%の貸倒引当金を設定する。
③ 備品(耐用年数6年、残存価額は取得原価の10%、取得後4年間経過)の
  減価償却を定額法により行う。
④ 家賃の前払い額は400、利息の未払い額は200である。

 

〔解答群〕

ア 損失 3,800  イ 損失 10,600  ウ 利益 9,000  エ 利益 13,200

 

 

 

 

第1問から試算表とか精算表を出してくるところがいやらしい(笑)
まずは当期の純損益を出すのに必要な条件を整理しておく必要がある。
当期の純損益は、
売上-売上原価-販管費営業外損益 でイケそうだ。
さらに、試算表のうち、当期純損益に使用しない項目は、現金・当座預金・買掛金・借入金・資本金。だからこれらは計算から除外しよう。
次に、決算整理事項を確認しよう。
①の商品期末棚卸高8,000については、試算表の繰越商品の借方に6,000とあるから売上原価を算定するために仕入勘定に振り替える必要がある。
②の貸倒引当金は、4%分を売上高から控除する必要がある。
③の減価償却費を売上総利益から控除する必要がある。
④については、前払い額が400だから当期に払いすぎた400を翌期にまわし、利息の未払いは未払い分の200を当期に計上する必要がある。
それでは①からやっつけようか。

試算表の「繰越商品」の借方=6,000は期首棚卸高を表している。
決算整理事項によれば、期末棚卸高=8,000だ。
売上原価を算定するために、期首在庫高の繰越勘定を仕入勘定に振り替え、期末の在庫高は、仕入勘定から繰越勘定に振り替える必要がある。仕訳であらわすと、
仕入6,000/繰越商品6,000 、 繰越商品8,000/仕入8,000 となるのだが、BOX図を使用すればイッパツだな。
期首=6,000、当期仕入=57,000、期末=8,000 より、売上原価=(6,000+57,000)-8,000=55,000 となる。

次は②を始末する(笑)
売掛金=30,000だから、その4%は、30,000×0.04=1,200だ。ここで注意することは、この1,200を控除するのではなく、貸倒引当金はすでに1,000が積み立てられているから差分の200のみを積み立てればよいということだ。だから新たに積み立てる額=200より、売上高から控除する額は200。

次は③。
備品=12,000で、残存価額は10%だから、1,200が残存価額。耐用年数は6年だから1年あたりの減価償却費は、(12,000-1,200)÷6=1,800となる。よって売上総利益から控除する減価償却費は1,800。

最後に④。
支払家賃=3,000で、前払い額が400だから当期に計上する支払家賃=2,600だ。
支払利息=1,000で、利息の未払いは200だから当期に支払う利息=1,200だ。
だから当期に計上する営業外費用=2,600+1,200=3,800となる。

さぁ、答えを求めよう。
売上=68,000 売上原価=55,000 販管費=給料+減価償却費=11,000+1,800
貸倒引当金積立額=200 支払家賃+支払利息=営業外費用=2,600+1,200=3,800

計算しやすいようにやってみる。

売上-売上原価=68,000-55,000=13,000
販管費+貸倒引当金積立額=11,000+1,800+200=13,000
営業外費用=3,800 より、
3,800のマイナス。つまり、3,800の損失となる。

したがって、正解は、ア となる。