財務会計【平成21年度 第15問】
【平成21年度 第15問】
B社は現在、普通株式と社債によって資金調達を行っており、それぞれの時価は以下のとおりである。
普通株式 5,000
社 債 3,000
また、投資家は現在、普通株式には13%、社債には5%の収益率を要求している。なお、税金はないものと仮定する。
(設問1)
B社の加重平均コストとして、最も適切なものはどれか。
ア 9% イ 10% ウ 13% エ 18%
(設問2)
B社は、3,000万円の普通株式を発行し、社債を償還することを検討中である。社債が償還された場合、普通株式の要求収益率はどのようになるか。最も適切なものを選べ。
ア 5% イ 8% ウ 10% エ 13%
出たでた、WACCの問題ですな。WACCは「ワック」とよみます。
WACCの問題は、与えられた条件を見落とさなければあとは計算するだけだからね。
慎重に解いていかないと。
(設問1)
まずは条件の整理。
税金がない。表示された額は時価。よし、そのまま計算だ。
WACC=(5,000×13/100+3,000×5/100)/(5,000+3,000)
WACC=(650+150)/8,000
WACC=800÷8,000=10%
したがって、イ が正解である。
(設問2)
素直に計算してみようかな、とも思ったけれど、
これってMM理論の問題じゃないんかな?
税金はないと仮定しているから、完全市場も仮定した場合は、企業価値は資本構成には無関係でWACCも一定に等しくなるっつうMM理論を思い出さないと。
だから普通株式を発行し、社債を償還してもWACCは変わらず10%なんだよ。
で、求める要求収益率= r %とすると、
(5,000× r /100+3,000× r /100)/(5,000+3,000)=10%
これを、 r について解けばいいか。
8,000× r /100=0.1 r =10%
したがって、ウ が正解だ。