自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成25年度 第4問】

【平成25年度 第4問】
いま、GDPをY=C+I+G、消費関数をC=C0+c(Y-T)で表すものとする。ただし、各記号の定義は以下のとおりである。
 Y:GDPである。
 C:消費である。
 I :投資であり10とする。
 G:政府支出であり2とする。
 C0:基礎的消費であり2とする。
 c:限界消費性向であり0.8とする。
 T:租税であり2とする。
政府が均衡予算を採用しているとき、上記の状況から政府が租税を1増加させたときのGDPの説明として最も適切なものはどれか。

ア GDP は 0.8低下する。
イ GDP は 1増加する。
ウ GDP は 1低下する。
エ GDP は 変わらない。

 

 

 

 

おそらく本試験でこの問題が出たならば、こういうプロセスで解いていると思います。
まずは均衡予算乗数=1だから、正解は、イ かなと目星を付けますね。
確認の意味で、与式に代入して検算するという感じです。

ここでは検算の意味で、与件に条件を代入して計算してみます。
Y=C+10+2 → Y=C+12、C=2+0.8(Y-2) → C=2+0.8Y-1.6 → C=0.8Y+0.4
ゆえに、Y=0.8Y+0.4+12 → 0.2Y=12.4 → Y=62 です。
次に租税を1増加させた場合を考えます。
均衡予算を採用していますから、租税を1増加させるということは政府支出も1増加させています。
したがって、
Y=C+10+3、C=2+0.8(Y-3)となりますから、これをYについて解きますと、Y=63 です。
よって、当初から1増加していることが分かりました。
なので、正解は、イ でOKだったことが確認できましたね。

均衡予算乗数=1 が利用できる条件は、閉鎖経済&租税は定額税です。与件には輸出入は書いてないですが、問題文中に明確に「租税は定額税」とは書いてありません。なのに均衡予算乗数を使用しても良いのでしょうか?
与件の消費関数は、C=C0+c(Y-T) となっていますね。実はこの与式の中の「T」が定額税を示しているのです。もしTが定額税でなければ、税額T= tY (0<t<1)と定義されるはずです。
ですから、この問題の租税は定額税であると確認できるわけです。