自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成23年度 第7問】

【平成23年度 第7問】
経済が「流動性のわな」に陥った場合の説明として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

 

a 貨幣供給が増加しても伝達メカニズムが機能せず、
  利子率は低下するが、投資支出の増加が生じない。
b 政府支出の増加が生じてもクラウディング・アウトは発生しない。
c 「流動性のわな」のもとでは、貨幣需要の利子弾力性はゼロになり、
  利子率が下限値に達すると、債券価格は上限値に到達する。
d 「流動性のわな」のもとでは、GDPの水準は貨幣市場から独立であり、
  生産物市場から決定される。


〔解答群〕
ア a と c
イ a と d
ウ b と c
エ b と d

 

 

 

 

 

流動性のなわ」とは債券の利子率が最低な状態で貨幣供給量が増加しても債券を購入せず貨幣として保有するために貨幣需要の利子弾力性が無限大の状態のことをいいました。
経済が「流動性のわな」に陥っているとき、拡張的金融政策は無効だが、拡張的財政政策は有効となる点を踏まえて選択肢の検討を行う。
まずはアだ。「流動性のわな」はもうこれ以上利子率が下がらない状態だから、「利子率は低下する」という記述は不適。
次にイ。経済が「流動性のわな」のとき、政府支出が増加するとIS曲線が右シフトしますね。利子率はサイテーなままですから利子率は不変ですが、GDPは増加します。利子率は不変ですから投資は抑制されませんね。ゆえにクラウディング・アウトは発生しないですから、本肢は正しい記述であることが分かります。
次はウです。「流動性のわな」は貨幣需要の利子弾力性は無限大ですから、「ゼロ」とする記述は誤りです。
最後にエです。「流動性のわな」のもとでは金融政策を行ってLM曲線をシフトさせても効果はありません。ですから、GDPの水準は貨幣市場から決まるのではなく、生産物市場から決まります。よって、本肢はただしい記述ですね。
よって、正解は、エ であります。