自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成21年度 第7問】

【平成21年度 第7問】
次の文章中の空欄に入る最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 古典派の貨幣数量説において、「貨幣の中立性」が成り立つ場合、名目貨幣供給がn倍になれば、(   )もn倍になる。


〔解答群〕
ア 雇用量
イ 実質GDP
ウ 実質貨幣供給
エ 実質政府支出
オ 物価水準

 

 

 

 

 

診断士試験ではこういう問題って珍しいです。だって単純すぎるから。平均点を狙ったところにするためのサービス問題なのでしょう。
これも古典派の貨幣数量説が何なのか理解できていれば難なく解ける問題ですね。
正解は、オ ですよ。

少し細かく見ましょうか。
古典派では取引需要のみを考えますから、取引需要をL1とします。GDP=Y とすると、取引需要L1はGDPが増加すれば(当然に)L1も増加します。
ゆえに、L1=k×Y (k>0、kは定数) が成り立ちますね。
古典派での貨幣需要は取引需要L1のみですから、実質貨幣供給量M/PはすべてL1です。
したがって、M/P=L1=kY となります。
ゆえに、M/P=kY です。Mについて解くと、
M=kPY つまり、貨幣=定数k×物価×GDP が成り立ちます。
このM=kPY を古典派の現金残高方程式あるいはケンブリッジ交換方程式といいます。
これって、貨幣の中立性を数式で表しただけで、
貨幣供給量(式の左辺)が増加すれば、当然に右辺も増加します。そのまた逆もしかりです。