自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【平成17年度 第12問】

【平成17年度 第12問】
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

企業はさまざまな指標によって評価される。たとえば、P社を買収しようとするO社が、P社について次のデータを収集したとする。

<P社のデータ>
当期貸借対照表の資産総額 5,000万円、負債総額 1,000万円
個別資産の当期時価総額 6,000万円 負債時価評価総額 1,000万円
当期末発行済株式総数 500株
予想EPS 16,000円、予想株価 160,000円

O社がP社の企業価値(株主価値)を、帳簿価値によって評価すると( A )万円となり、P社所有資産の市場価値によって評価すると( B )万円となる。
O社の要求利益率が10%でP社の予想EPSが将来も継続するならば、P社の収益力による評価額は( C )万円である。これは絶対額で企業を評価する方法である。
相対的に評価する尺度として、PBRやトービンの q がある。P社のPBRは(   )倍、トービンの q は( D )倍である。一般にこれらの指標は1以下であると、企業価値が( E )されていると見なされる。

 

(設問1)
文中の空欄AおよびBに入る最も適切な数値の組み合わせはどれか。

ア A:4,000  B:5,000
イ A:4,000  B:6,000
ウ A:5,000  B:6,000
エ A:6,000  B:7,000


(設問2)
文中の空欄Cに入る最も適切な数値はどれか。

ア 5,000   イ 6,000   ウ 7,000   エ 8,000

 

(設問3)
文中の空欄DおよびEに入る最も適切なものの組み合わせはどれか。

ア A:1.0  B:過小評価
イ A:1.5  B:過小評価
ウ A:1.5  B:過大評価
エ A:2.0  B:過小評価
オ A:2.0  B:過大評価

 

 

 

 

 

 

 

んー、枝問が多いねぇ。
設問1ってすごーくカンタンな気がするんだけれど・・・。
簿価で評価するってことは、総資産5,000、負債1,000だから純資産は4,000だし、
時価なら、総資産6,000、負債1,000だから純資産は5,000だもんね。割引率の記載なんてないから割り引けないし。
よって、正解は、ア である。

次の設問2は、要求利益率が出ているから割り引かないとあかんかな。
要求利益率=10%で、予想EPS=16,000で、株式総数=500株なんだね。なんだか10%で割り引くんだろうな。
求めたいのは、「P社の収益力による評価額」だそうだ。
収益力ってことは、当期利益に関係しそうじゃない?
EPSは1株あたり当期純利益だから、株式総数をかければ当期純利益が求めるんかな。
16,000×500株=800万円だ。で、これを10%で割り引くと、800万円÷10%=8,000万円。
よって、正解は、エ だ。

設問3はトービンのq を求めるんか。これって経済学で出てきた、トービンのq だよな。
企業価値を総資産額で割り算すればイケるんじゃね?
企業価値=負債価値+株主価値 だよな。で、分母になる総資産額は時価を用いるから、6,000万円だ。
負債=1,000 と分かっているから、問題は時価での株主価値を出さなあかんってことだ。
時価ってことは、株価に関係しそうだ。株式総数は500株。予想株価=160,000円だから、
160,000×500=8,000万円だ。つまり、企業価値は、8,000万円+1,000万円=9,000万円。
よって、トービンのq =9,000万円÷6,000万円=9÷6=1.5 となり、1.5倍が正解だね。

次は、過小評価か過大評価か、か。
だいたいは1を超えると優秀なんだから、1以下であると、過小評価なんじゃないかな。
したがって、正解は、イ である。