経済学・経済政策【平成17年度 第15問】
【平成17年度 第15問】
ある企業が考えている施策がある。その施策にかかるコストは100万円である。売上収入とそれぞれの起こりうる確率は下表のように予想されている。下記の解答群の中から最も適切なものを選べ。
売 上 収 入 起こりうる確率
(単位:万円)
0 50%
100 25%
200 20%
600 5%
〔解答群〕
ア この企業がリスク愛好的である場合、そのリスク選好度にかかわらず、この
施策を行わない。
イ この企業がリスク回避的である場合、この施策を行う。
ウ この企業がリスク中立的である場合、この施策を行う。
エ この企業がリスク中立的である場合、この施策は行わない。
オ この企業がリスク中立的でも、回避的でも、この施策を行う。
この問題にはある施策にかかるコストが載っています。このコストを計算に加えましょう。売上収入からコスト控除したものに期待確率を乗じること各期待値を求めます。
売上0のとき → (0万円-100万円)×50%=-50万円
売上100のとき → (100万円-100万円)×25%=0万円
売上200のとき → (200万円-100万円)×20%=20万円
売上600のとき → (600万円-100万円)×5%=25万円
これらの総和、すなわち期待値は-5万円です。
つまりは施策を行うことで-5万円が発生するということですね。
リスク選考によって施策を行うかどうかは異なります。
リスク愛好的なら、期待値は-5万円ですが、25万円になるかもしれないと考え施策を行うことでしょう。
リスク回避的なら、-5万円が発生するくらいなら施策を行わないと考えるでしょう。
リスク中立的なら、確実にプラスになるなら施策を行うけれど、マイナスになるなら施策は行なわないと考えるでしょう。
これらを踏まえて選択肢を検討します。
アはリスク愛好的の場合は施策を行いますから不適。
イはリスク回避的なら、マイナスの期待値ですから施策を行いません。よって不適。
ウはリスク中立的なら期待値がプラスなら施策を行います。でも-5万円ですから施策を行いません。ゆえに不適。
エはリスク中立的で、期待値はマイナスですから施策を行いません。よって正しい。
オは中立的で施策を行うのは期待値がプラスのとき。期待値はマイナスだから施策を行いません。よって不適。
以上により、エ が正解である。