自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成26年度 第22問】

【平成26年度 第22問】
下表は標準的な囚人のジレンマの状況を示す利得表である。下表で企業Aと企
業Bの両者は合理的主体であり、両者による取引において「協力する」か「裏切る」
かを選択することができる。表中のカッコ内の数字は、 度の取引で得られる利得
を示すもので、左側が企業Aの取り分、右側が企業Bの取り分である。ただし、
相手の「裏切る」に対してはトリガー戦略を採用するものと考える。この利得表に関
する説明として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

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〔解答群〕
ア 将来利得の割引因子の値が十分に1に近い(ただし1未満)状況下で、両者の
  取引が無限に繰り返されるのであれば、両者がともに「裏切る」ことがパレート
  最適になるというのがフォーク定理の示唆するところである。
イ 将来利得の割引因子の値が十分に1に近い(ただし1未満)状況下で、両者の
  取引が無限に繰り返されるのであれば、両者がともに「協力する」を選択すると
  いうのがフォーク定理の示唆するところである。
ウ 両者の取引が1回限りであれば、企業Aは、企業B が「裏切る」と予想して
  も、「協力する」ことで自分の利得を最大化できるというのがフォーク定理の示
  唆するところである。
エ 両者の取引が1回限りであれば、両者がともに「協力する」ことが支配戦略で
  あるというのがフォーク定理の示唆するところである。

 

 

 

 

 

 

 

これってフォーク定理の問題かな?
フォーク定理は無限回の繰り返しゲームでは比較的早期に協調解が均衡解になるという理論だ。ちなみに「将来利得の割引因子」とは、現在の利得が将来の利得と同程度に評価されるという意味。
また、利得表は「ともに裏切る」がナッシュ均衡で、「ともに協力する」が協調解になるんだね。
これを踏まえて選択肢を検討しよう。
アは、両者が「裏切る」とナッシュ均衡になり、協調解にはならない。協調解にならないんだからフォーク定理には該当しない。ゆえにブブー。
イは、無限回で協調解になるんだから本肢の記述は正しいね。
ウは、1回限りでは協調解になるはずもないし。
エも同じ。
ゆえに、正解は、イ である。