自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【平成21年度 第3問】

【平成21年度 第3問】
 期末現在において保有する有価証券の内訳は以下のとおりである。貸借対照表の純資産の部に計上されるその他有価証券評価差額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。

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〔解答群〕
ア -2,000
イ -1,800
ウ 500
エ 600

 

 

 

 

 

けっこうへなちょこな問題です。こういうの好きですね、診断士試験って。
さて有価証券に関する知識が問われていると思いますが、有価証券の種類によって扱いが異なります。
売買目的有価証券は「流動資産」に属するので資産扱いだし、
投資有価証券は「固定資産扱い」です。
また、取得原価はB/Sに載せろだの、評価差額はP/Lに載せろだのいろんな規則があるようです。

投資有価証券は固定資産勘定ですが、大きく3つに分けられます。
①満期保有目的有価証券
②子会社株式、関係会社株式
③その他有価証券
売買目的有価証券は、時価の変動で利益を得るものであり、流動資産勘定になります。
①満期保有目的有価証券は満期保有を目的に取得した国債社債です。取得原価をB/Sに記載します。
②子会社株式、関係会社株式はこうです。
・議決権の20~50%の株式を所有 → 関係会社株式
・議決権の51%以上の株式を所有 → 子会社
こんな区別があるんですね。

③その他有価証券は長期保有目的とか大した意味はないとかそんな程度です。
なお、②③は簿記1級のカテゴリらしいです。

表中には、
A株式 → 売買目的 → 流動資産勘定(時価で表記)
B株式 → 満期保有目的 → 固定資産勘定(取得原価)
C株式 → 関連会社株式 → 固定資産勘定(取得原価)
D株式 → 持ち合い → ??
E株式 → 持ち合い → ??

とあるのですが、「持ち合い株式」は純資産にぶっこみます。
しかし、時価が著しく下落し、回復の見込みがない場合は評価差額を損益計算書に当期の損失として計上することになっています。

本問においては純資産の部に計上される評価差額を求めますから、E株式の損失分は含まれません。

D株式 → 評価差額600 → 純資産にぶっこむ
E株式 → 評価差額2,500 → 損益計算書にぶっこむ

したがって、純資産の部に計上する評価差額はD株式のみが対象になりますね。

ゆえに、正解は、エ である。