自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【平成20年度 第8問】

【平成20年度 第8問】
 繰延税金資産および繰延税金負債に関する次の資料(単位:千円)に基づいて、損益計算書(抜粋)の空欄Aに入る最も適切なものを下記の解答群から選べ。

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〔解答群〕
ア △120
イ △40
ウ 40
エ 120

 

 

 

 

 

 

 

初めてこの問題に対処したとき、こう考えました。
NOPAT(税引前当期純利益)=2,500 だろ。
フツー、実効税率は40%だから、
本来の法人税等=1,000 なんじゃね?
でも表記は1,120ってあるから△120じゃん。
合ってるんかね?
正解は正解なんだけれど、これは邪道だなと思いました(笑)

さて、税効果会計は一期間での会計上の利益と税務上の所得のズレを調整する仕組みですから、当期の計上額と当期の取崩額に着目します。期首残高は関係ないです。
繰延税金資産は先払いですから後に減ります。つまり減算一時差異。
繰延税金負債は後に増やされますから加算一時差異。
繰延税金資産は当期に140計上し、60を取り崩していますから残りは80。
繰延税金負債は当期に50計上して、90を取り崩していますから-40です。

そうすると、80は減算差異として戻りますが-40の分は加算差異として取られます。
「-40が加算される」ということは「40が戻る」と同意ですね。
すなわち120が戻ってくるということです。
したがって、損益計算書上は1,120となっていますが、後に120戻ってくるということですから法人税等調整額はマイナスの120です。

以上により、正解は、ア である。