自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

運営管理【平成24年度 第2問】【平成25年度 第1問】【平成19年度 第1問】

【平成24年度 第2問】

 生産における管理目標(PQCDSME)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア Pは生産性を示し、労働生産性、設備生産性、製品生産性などにより評価さ

  れる。

イ Sは安全性を示し、度数率、強度率、労働損失日数などにより評価される。

ウ Mはモラールを示し、職務の満足度、集団の団結感、顧客の満足度などによ

  り評価される。

エ Eは環境を示し、製品の使用期間、生産リードタイム、廃棄物の量などによ

  り評価される。

 

 

運営管理という科目はこのように素直な出題形式が多いですね。企業経営理論のようにひねくれた問題は滅多にありません。

各選択肢は前段は正しい記述なのに対して、後段の具体的な評価項目が適切かどうかが問われているんですね。選択肢を検討してみましょう。

ア:Pは生産性ですね。労働生産性と聞くと生産管理的に聞こえますが財務会計にだって中小政策にだって出てきた言葉ですね。労働生産性は1人当たりの従業員が産み出した付加価値額のことです。設備生産性とは企業の有形固定資産がどのくらい効率的に活用されているかを示す財務指標です。生産管理的か、と聞かれるとそうではなそうな気がします。労働装備率もどちらにでもとれそうな感じですし。意外と本肢は迷う選択肢です。

イ:Sは安全性です。度数率とは労働災害の頻度を表す指標。強度率は労働災害1件当たりの大きさを示す指標。労働損失日数はそれぞれ度数率、強度率を算定するのに使われる指標。ゆえに本肢は正しい記述です。

ウ:モラール士気とか働きがいとか意欲を表します。職務の満足度や集団の団結感はモラールに含まれそうですが、顧客の満足度はなんら関係がありませんね。ゆえに不適。

エ:Eの環境性は環境に対して負荷の少ない製造プロセスであるかどうかがポイントですね。ですから製品のライフ(使用期限)やリードタイムは関係なさそうです。ゆえに不適。

以上により、正解は、イ である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【平成25年度 第1問】

 生産における管理目標(PQCDSME)に関する記述として、最も不適切なものはどれか

 

ア 管理目標Pに着目して、生産量と投入作業者数との関係を調査し、作業者1

  人当たりの生産量を向上させるための対策を考えた。

イ 管理目標Cに着目して、製品原価と原材料費との関係を調査し、製品原価に

  占める原材料費の低減方法を考えた。

ウ 管理目標Sに着目して、実績工数と標準工数との関係を調査し、その乖離が

  大きい作業に対して作業の改善や標準工数の見直しを行った。

エ 管理目標Mに着目して、技術的な資格と取得作業者数との関係を調査し、重

  点的に取る資格の取得率の向上に向けて研修方策を提案した。

 

 

生産現場における管理目標PQCDSMEの7つについて問われています。製造の現場、もの作りの現場に関わりのない方はなかなかイメージしにくいかもしれません。選択肢を検討します。

ア:Pとは生産性です。生産性向上策について検討するとありますね。正しい記述だと言えそうです。

イ:Cはコスト・原価ですね。原価低減活動についての記述です。正しいですね。

ウ:Sはセーフティ(安全性)です。どうも本肢は安全性についての記述ではないように見えます。工数とか標準などといった語句があることから、いわゆる「3S」の標準化について記述したものだといえそうですね。よって不適です。

エ:Mはモラールです。これも正しい記述です。

以上により、正解は、ウ である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【平成19年度 第1問】

 管理目標に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 稼働率とは、人または機械における就業時間もしくは拘束時間に対する稼働

  可能な時間との比率のことである。

イ 仕事量とは、仕事を遂行するために必要な単位時間当たりの仕事の負荷量の

  ことである。

ウ 付加価値とは、製品またはサービスの価値の中で、顧客にとって有効な価値

  のことである。

エ リードタイムとは、発注してから納入されるまでの時間、あるいは、素材が

  準備されてから完成品になるまでの時間のことである。

 

 

診断士試験の第1問はなかなか迷う出題が多いんですね。これも例外ではありませんな。結局、生産管理はJISに関する項目が問われることが多いのでしっかりと定義を押さえておくことで対処可能な問題が多いのです。特に選択肢アなんかその典型です。選択肢を検討しましょう。

ア:稼働率は、人または機械における就業時間もしくは利用可能時間に占める実際に稼働した時間の割合であす。稼働可能な時間は、すなわち就業時間もしくは利用可能時間ですから常に「1」になってしまいますもんね。ゆえに不適。

イ:仕事量は単位当たりの負荷量ですかね? 単位当たり仕事率って物理で習ったような気がしますけど、ワット(W)とかジュール(J)とかそういうんじゃなかったっけ? 情報システム的に言えば、単位時間当たりの仕事量はスループットだし、生産管理的にふさわしい言葉はないような気もする。そもそも仕事量ですから、量と質が関係するのではないでしょうか。不適、だとしておきます。なお、JISには「仕事を遂行するために必要な仕事の密度と時間の積」と定義されています。

ウ:付加価値にはいろんな定義があるようですが、診断士試験的に言えば、本肢のような定義ではないです。付加価値=売上高-外部購入価値と定義されます。ゆえに不適です。

エ:発注してから納入されるまでの時間は納入リードタイムですね。完成品になるまでの時間は生産リードタイムです。ゆえに本肢は正しい記述です。

以上により、正解は、エ である。