運営管理【平成23年度 第1問】【平成26年度 第1問】
【平成23年度 第1問】
生産における管理目標に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 強度率は、労働災害1件当たりの大きさを示す指標の1つである。
イ 生産リードタイムは、顧客が注文してからその製品を手にするまでの時間で
ある。
ウ 直行率は、初工程から最終工程まで、手直し・調整・手戻りなどがなく順調
に通過した品物の、全体の品物に対する割合をいう。
エ 労働生産性は、一般に、付加価値を従業員数で除した値で示される。
選択肢を見ましょう。
ア:強度率は労働災害1件当たりの大きさ。度数率は労働災害の頻度を表します。ゆえに本肢は正しい記述です。
イ:生産リードタイムは素材から完成品になるまでの時間ですが、本肢の記述は顧客が注文してからその製品を手にするまでの時間となっています。これは納入リードタイムのことですね。ゆえに本肢は不適です。
ウ:そのまんまですね。直行率=1ー不良ロス率でも表すことができます。
エ:財務でも中小でも出てくるような記述です。こううのはソッコーで正しいと判断しましょう。
以上により、正解は、イ である。
【平成26年度 第1問】
安全性の評価値の一つとして用いられる災害発生の頻度を表す度数率の式として、最も適切なものはどれか。
ア (死傷災害件数×1,000,000)/延べ労働時間数
イ (死傷災害件数×1,000,000)/延べ労働日数
ウ (労働損失日数×1,000)/延べ労働時間数
エ (労働損失日数×1,000)/延べ労働日数
これ、本試験で出たらなんじゃって思いますよね。ってか出題されたんだけれど、だいたい分子になる1,000,000とか1,000とかの根拠が分からないですし(笑)
そもそも労働災害の状況は労働災害率(度数率と強度率のことです)ならびに労働損失日数で表します。度数率、強度率、労働損失日数のそれぞれについて定義を押さえておくことで対応は可能ですが、費用対効果の観点で言えばあまり得策ではなさそうな気もします。
その度数率は頻度を表しますから、件数がポイントです。100万時間あたりの、というところは覚えるしかありません。
なお、度数率も強度率も分母は延べ労働時間です。強度率は災害の大きさの程度を表しますので件数ではなく、損失日数で表します。1,000時間あたり、と覚えるしかありません。
以上により、正解は、ア である。
【平成18年度 第3問】
生産方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 個別生産は、個々の注文に応じて、その都度生産を行う方法である。
イ モジュール生産とは、共通部品を用いて途中まであらかじめ生産しておき、
受注後に顧客仕様により、その先の生産を行う方法である。
ウ 連続生産は、1個の製品を第1工程から最終工程まで途切れることなく生産
する方法である。
エ ロット(バッチ)生産は、単一の品種だけを連続して長時間生産する方法で
ある。
選択肢を見てみましょう。
ア:個別生産は都度都度で生産を行う方法です。でもその都度設計をやり直す訳ではないことに注意が必要です。いくら個別生産でも作り手はラクしたいものですからね。個別生産では受注前の見積もりの精度をよくしないと失注する可能性もあります。ですから個別生産向きの個別原価計算によって見積もりの精度をよくすることが可能です。
イ:JISによれば、「部品又はユニットの組合せによって顧客の多様な注文に対応する生産方式」と定義されます。本肢の記述は仕掛品を作っておいて顧客の注文に対応とありますけど、何生産っていうのでしょうか(笑)
ウ:本肢の記述は「1個流し」についての記述ですね。
エ:単一の品種だけを長時間生産するのは連続生産です。ロット(バッチ)生産は品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態ですから不適です。
以上により、正解は、ア である。