自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

運営管理【平成20年度 第11問】【平成23年度 第19問】【平成17年度 第7問】

【平成20年度 第11問】

 生産形態は、生産の時期、品種と生産量の多少、仕事の流し方によって分類される。生産形態の組み合わせとして、最も関連性の弱いものはどれか。

 

ア 受注生産ー多品種少量生産ー個別生産

イ 受注生産ー多品種少量生産ーロット生産

ウ 見込生産ー少品種多量生産ーロット生産

エ 見込生産ー多品種少量生産ー連続生産

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関連性の弱いものを選ぶ問題です。

生産の形態は大きく、見込生産と受注生産とに分けられます。それぞれの生産はどういった特徴があるのかとか生産形式はどんなものかなど体系的に整理できるといいかもしれません。

ア:受注生産は個別生産です。多くの種類の中から少量を生産するという形式ですから3つとも関連性があります。

イ:受注生産は個別生産が適していますが、ロット生産をする場合もあります。多品種少量生産が受注生産の特徴です。

ウ:ロット生産とは品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態です。見込生産とは市場の需要を見越して企画・設計した製品を生産し,不特定な
顧客を対象として市場に出荷する形態です。こういった生産の形態では少品種多量生産が向いています。

エ:連続生産は単一の品種を長時間生産します。ですから少品種大量生産向きなんですね。多品種少量生産で連続生産はなかなかできるものではありません。

以上により、正解は、エ である。

 

 

 

【平成23年度 第19問】

 個別受注生産での改善施策に関する記述として、最も不適切なものはどれか

 

ア 受注製品ごとの進度管理の精度を高めるために、追番管理方式を導入する。

イ 受注製品の納入リードタイムを短縮するために、設計部門と製造部門の業務

  を同時並行で行うコンカレントエンジニアリングを採用する。

ウ 製品仕様の変更や追加要求を回避するために、客先との間で取り交わす製品

  仕様書の記入内容を再吟味する。

エ 部材調達費の抑制や量産効果を得るために、部品や中間製品の共通化・汎用

  化を図る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとつずつ見ていきますか。

ア:追番(おいばん)管理方式とは、製品や部品に番号を付してその番号をキーに生産の進捗を管理する方法です。生産の計画と実績に追番を付け、計画と実績の差で手配計画および進度管理を行うものですから受注製品に限定されるものではないと思いますけど。ちょっと保留。

イ:設計と製造の同時並行化で開発リードタイムや納入リードタイムを短くすることはできそうですね。受注品だろうと通常品であろうと開発設計時には製造部門と同時並行的に業務を進めれば納入リードタイムを短縮できます。本肢は正しい記述です。

ウ:製品仕様書の記入内容を再吟味すると製品仕様の変更や追加要求を回避できるのでしょうか? これは改善施策というよりも当たり前のことのように思えますがね。

エ:受注品だからといって部品なども特注である必要はありません。部品や中間製品を共通化・汎用化することで製造コストが低減できますし、そうなれば価格競争力が出ますから有利に働きます。一種のグループテクノロジー(GT)ですね。本肢は正しい記述です。

アの追番管理方式はゼロ戦を生産するのに用いられたと言われています。消費されるべき部品、生産されるべき製品に累積番号を付して製造の実績をを管理しようとしました。ですから受注製品ごとの進度管理の精度を高めるというよりも計画と実績の乖離がないように数量の管理をする方に重きが置かれています。受注製品の進度管理を高める方式としては製番管理方式が適しているといえます。

製番管理方式とは、製造命令書を発行するときに、その製品に関するすべての加工と組立の指示書を同時に準備し、同一の製造番号をそれぞれに付けて管理を行う方式であり、少量生産や個別生産に向いた手法です。ゆえにアとウの選択でアの方が明らかに誤った内容がありますから正解は、ア と判断します。

 

 

 

【平成17年度 第7問】

 生産機械の制御や機械を用いた生産システムに関する次の記述のうち、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

 

a 工作機械やロボットなどの制御に用いられるサーボ機構では、電流や電圧な

 どの電気量を制御量としている。

b 機械加工におけるセル生産方式では、グループテクノロジーの手法を用いて

 部品および機械をグループ化し、セルを構成する。

c 工作機械の数値制御(NC)は、コンピュータを機械に組み込んだCNCから、

 生産管理コンピュータと数値制御システムの間でデータを分配する階層システ

 ム(DNC)へと発展している。

d コンピュータ上に製品のモデルを構築して進める設計をCAMと呼び、そのモ

 デルの情報を加工機械などに直接インプットする方式をCADと呼んでいる。

 

〔解答群〕

ア a と b  イ a と c  ウ b と c  エ b と d  オ c と d

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いくつか聞き慣れない語句が出てきましたね。

まずサーボ機構ですが、物体の位置、方位、姿勢などを制御量として、目標値に 追従するように自動で作動する機構です。最初に現在の位置や方位、姿勢などをインプットし、初期設定します。それを目標にして自動で動かす仕組みです。

また、DNCはコンピュータから直接NC工作機械にデータを送信する仕組みです。

選択肢を見てみましょう。

ア:先に述べたようにサーボ機構は電流や電圧ではなく、初期設定した位置や方位、姿勢を制御量としていますから不適です。

イ:セル生産方式はGTの考え方をt利用した生産方式です。よって正しい。

ウ:DNCは1台のコンピュータで複数のNC工作機械を集中的にコントロールできるようにします。NC工作機械にコンピュータを組み込んだのがCNCですが、工作機械に組み込まず、コンピュータから複数のNC工作機械にデータを送信して集中的に管理するような仕組みがDNCです。

エ:モデルのデザインはCADであり、加工機械にそのモデルをインプットするのがCAMです。記述が逆なんですね。

以上により、bとcが正しいので、正解は、ウ である。