自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成18年度 第11問】

【平成18年度 第11問】
 ある企業が製品Xと製品Yを生産している。経営者は、それぞれmの製品の生産量に応じてかかるコストCを次のように把握している。ここで、C( i , j )であれば、製品Xを i 個、製品Yを j 個、生産するコストを示す。
 規模と範囲の経済性に関し、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 C(0,100)=100
 C(0,200)=220
 C(50,0)=150
 C(100,0)=310
 C(50,100)=240
 C(100,200)=520


〔解答群〕
ア 規模の経済性は働いていないが、範囲の経済性は働いている。
イ 規模の経済性は働いているが、範囲の経済性は働いていない。
ウ 規模の経済性も範囲の経済性のどちらも働いていない。
エ 規模の経済性も範囲の経済性のどちらも働いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

規模の経済性とは、同一のモノをガツガツ、
範囲の経済性とは、一緒にやるとガンガン、でした(笑)
経済学的に言い直すと、
規模の経済性とは、生産量の増加に伴って平均費用が減少する場合に作用します。範囲の経済性とは他のモノと同時に生産することでコストメリットが生じることです。

ある企業のコストについてみてみましょう。
C( i , j )=● とは、製品 i と製品 j を生産した場合にかかるコストの合計です。
ですから、
C(0,100)=100 であれば、製品 j を100個生産した場合、コストは100かかる。
C(0,200)=220 であれば、コストは220かかる。
ということは製品 j を倍生産するとコストは倍以上かかっていることが分かります。
C(50,0)=150 であれば、コストは150かかります。
C(100,0)=310 であれば、コストは310かかります。
製品 i も倍生産するとコストは倍以上かかります。
同一製品を生産するのにコストメリットが発揮されない場合には規模の経済が働いているとはいえません。

また、C(50,100)=240 だと、
C(50,0)=150、C(0,100)=100 だったので、C(50,100)=250 になるはずですが、
C=240ですから同時に生産することでコストが逓減しています。
同様に、C(100,200)=520 であれば、それぞれを単品で生産した場合であれば、C=310+220=530 必要でしたが、520で済んでいますからコストは低減していることがわかります。
つまり、同時に生産することでコストメリットが生じていますから範囲の経済性が発揮されているといえそうです。
したがって、規模の経済性は発揮されていないが範囲の経済性は発揮されているので、正解は、ア である。