自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【平成18年度 第9問】

【平成18年度 第9問】
 生産性分析について述べた次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。


 生産性分析では、収益性分析における総資本利益率のような比率の体系的、統
一的な関係は存在しない。したがって、個々の比率を適宜組み合わせて分析を行
う必要がある。生産性分析に用いられる比率のうち、従業員1人あたり①付加価値は、付加価値生産のもっとも重要な要素である労働力の生産性を示すので、通常
労働生産性といわれる。労働生産性はさらに②個々の生産性指標に分解して分
析される。


(設問1)
次のa~eのうち、文中の下線部①に含まれるものとして最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

  a 外注加工費
  b 間接材料費
  c 固定資産税
  d 福利厚生費
  e 不動産賃借料

ア a と b と c   イ b と c と d   ウ b と d と e   エ c と d と e

 

(設問2)
次のa~dのうち、文中の下線部②の分解のための計算式として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

  a 従業員1人当たり売上高×付加価値率
  b 従業員1人当たり売上高÷付加価値率
  c 従業員1人当たり人件費×労働分配率
  d 従業員1人当たり人件費÷労働分配率


〔解答群〕
ア a と c   イ a と d   ウ b と c   エ b と d

 

 

 

 

 

 

付加価値額は一般的に次のように算出します。

 付加価値額=経常利益+労務費+人件費+支払利息手数料-受取利息配当金+賃借料+租税公課減価償却実施額

長い(笑)  ゆえに、正解は、エ である。

次です。設問2です。診断士試験ではよく見られる分解式の問題です。こういうのは分数の形にしてみると何かのヒントになるかもしれない。
従業員1人あたり売上高=売上高÷従業員数 ・・・① で
付加価値率=付加価値額÷売上高 ・・・② です。
従業員1人あたり人件費=人件費÷従業員数 ・・・③ で
労働分配率=人件費÷付加価値額 ・・・④ です。

 ①     ②     ③      ④
 売上高  付加価値額  人件費      人件費
従業員数   売上高   従業員数  付加価値額

こうやって眺めてみますね。
①②は掛け算すると売上高が消えてくれそうだし、③④は割り算すると人件費が消えてくれそうですね。
①×②=付加価値額/従業員数となり、これは労働生産性
③÷④=付加価値額/従業員数となり、これも労働生産性
以上により、正解は、イ である。

この問題は、付加価値率の式と労働分配率の式がポイントだったようです。