自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成25年度 第17問】

【平成25年度 第17問】
 下図は、平均費用が逓減局面にある財市場で企業Zによる自然独占が発生している状況を示している。この図に関する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

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〔解答群〕
ア 企業Zが独占企業として振る舞う場合、四角形ACFHが独占的利潤の大きさ
  を意味する。
イ 企業Zに対して政府が限界費用価格形成原理を課す場合、三角形CADに相当
  する死重損失が発生する。
ウ 企業Zに対して政府が限界費用価格形成原理を課す場合、四角形DBGHに相
  当する損失が発生する。
エ 企業Zに対して政府が限界費用価格形成原理を課す場合、当該財の生産量
  は I となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっそく選択肢を検討しましょう。下の図を参照してください。

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ア:企業Zが独占企業として振る舞う場合、つまり利潤最大化を目指すとき、MC=MRになるように生産量と価格を設定します。
MC=MRになる点は点Aですから、このときに利潤最大化となるわけです。
MC=MRのときの生産量=J。生産量=Jのとき需要曲線との交点は点C。ゆえに生産量Jのときの価格=Fとなりますね。
ゆえにこのときの企業Zの総収入は□FCJOです。
いま、線分CJと線分BGとの交点を点Lとすると、生産量がJのときの総費用は□GLJOです。
したがって、企業Zが利潤最大化をめざすときの利潤は□FCJO-□GLJO=□FCLGとなります。ゆえに□ACFHとする記述は不適です。
イ:限界費用価格形成原理を課す場合は、生産量はKであり、価格はHです。平均費用価格形成原理に比べて生産量は過小になっていません。ですから死重損失は発生しないです。ゆえに不適。
ウ:限界費用価格形成原理は消費者にウレシイ生産量と価格になります。反面企業にとっては固定費用部分が赤字になります。ですからこの場合、□BDHGが赤字部分となり、本肢の記述は正しいと思われます。
エ:限界費用価格形成原理を課す場合の生産量はKです。I ではありませんから不適。
以上により、正解は、ウ である。