経営法務【平成23年度 第4問】
【平成23年度 第4問】
X株式会社の法的倒産手続き(再建型)に関し、債権者①~⑪までの債権額及び計画案に対する賛否は次の通りである。
このとき、X株式会社の法的手続きが、民事再生手続きであった場合の再生計画案と会社更生手続きであった場合の更生計画案それぞれの可決の可否について、最も適切なものを以下の解答群から選べ。なお、①~⑪の債権はすべて一般債権でかつ債権額が議決権額とし、それ以外の可決要件はすべて充足しているものとする。
債権者番号 債権額 賛否
① 20万円 反対
② 30万円 反対
③ 50万円 賛成
④ 100万円 反対
⑤ 300万円 反対
⑥ 1,500万円 賛成
⑦ 3,500万円 反対
⑧ 4,500万円 賛成
⑨ 3億円 反対
⑩ 4億円 反対
⑪ 10億円 賛成
合 計 18億円
(賛否の内訳)
賛成:人数4名、債権額10億6,050万円
反対:人数7名、債権額7億,950万円
〔解答群〕
ア 再生計画案の場合も更生計画案の場合も、ともに可決される。
イ 再生計画案の場合も更生計画案の場合も、ともに否決される。
ウ 再生計画案の場合は可決されるが、更生計画案の場合は否決される。
エ 再生計画案の場合は否決されるが、更生計画案の場合は可決される。
この設問のポイントは単純に再生計画案と更生計画案の可決要件です。それぞれの可決要件を確実に押さえていれば難なく正解に至るという問題です。
再生計画案の可決要件は、債権者の過半数かつ債権額の2分の1以上の賛成で可決でした。債権者数と債権額の両方をクリアしないと可決されません。
一方、更生計画案は、債権額の2分の1超で可決です。こちらは債権額をクリアすれば可決されます。
再生計画案のポイントになるのは、
①再生計画案が、債権者数と債権額の両方をクリアすること
②債権者は過半数、債権額は2分の1以上
という点。一方、更生計画案のポイントは、
①債権額が2分の1超
という点です。
これを踏まえ、与件を整理すると、
賛否の内訳をみると、再生計画案では、債権者数も債権額もともに可決要件を満たしていないのでアとウは消去出来ます。
更生計画案では債権額がクリア出来ていれば可決されますから、
以上により、正解は、エ である。