財務会計【平成21年度 第10問】
【平成21年度 第10問】
Y社の以下に掲げる次年度の部門別損益計算書に基づいて、下記の設問に答えよ。ただし、費用の構造は一定とする。
(設問1)
Y社全体に対するA部門の貢献を示す利益額として、最も適切なものはどれか
(単位:百万円)。
ア 140 イ 200 ウ 320 エ 480
(設問2)
仮にB部門を廃止するとすれば、Y社全体の純利益の増減額として最も適切なものはどれか(単位:百万円)。
ただし、共通固定費は発生を回避することが出来ないものとする。
ア 減少 140 イ 減少 940 ウ 増加 100 エ 増加 320
たいして難しい問題ではありません。こういうのは確実に点数を積み上げることで合格点に近づくと思っています。
設問1から始めましょう。
本問はA部門の貢献利益を出せばよいわけですね。
売上高-変動費=限界利益 ですから、限界利益=720 です。
限界利益-個別固定費=貢献利益 ですから、720-240=480 となります。
ゆえに正解は、エ である。
次は設問2。
B部門を廃止すれば、B部門の売上高はなくなり、変動費も不要になり、個別固定費も不要になります。ただ、共通固定費はかかるんですね。
まずは廃止前のY社全体の純利益を算出します。
A部門の限界利益=720で、個別固定費と共通固定費を引くと、純利益=200。
B部門の限界利益=360で、同じように固定費を引くと、純利益=-100です。
C部門は、限界利益=1,500で、固定費を引くと、純利益=300ですね。
するとY社全体の純利益は合計で400となります。
一方、B部門を廃止した場合はといいますと、
A部門の純利益=200 で、
B部門の純利益=-240 で、
C部門の純利益=300 です。
Y社全体では、260の純利益となります。
もともと400の純利益がB部門を廃止することで260の純利益に減少します。つまり140の純利益が減少するわけです。
以上により、正解は、ア である。