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自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成20年度 第7問】

【平成20年度 第7問】
 GDPと外国貿易に関する次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 いま、自国と外国の2国モデルを仮定し、自国と外国の生産物市場の均衡条件がそれぞれ次のように与えられるとする。
  Y=C+I+G+X-M
  Y*=C*+I*+G*+X*-M*
ここで、Y:GDPまたは所得、C:消費、I:投資、G:政府支出、X:輸出、M:輸入であり、記号の右に*を付したものは外国の変数である。なお、自国の輸出Xは外国の輸入M*に等しく、自国の輸入Mは外国の輸出X*に等しい。
 自国の消費関数と輸入関数はそれぞれ
  C=cY
  M=mY
で示され、c:限界消費性向、m:限界輸入性向である。また、投資支出と政府支出はおのおのI=I0、G=G0である。
 同様に、外国の消費関数と輸入関数はそれぞれ
  C*=c*Y*
  M*=m*Y*
である。外国においても、投資支出と政府支出はおのおのI*=I*0、G*=G*0である。
 このとき、自国と外国の生産物市場の均衡条件は次のように表される。
  Y=cY+I0+G0+m*Y*-mY
  Y*=c*Y*+I*0+G*0+mY-m*Y*

 この結果、自国のGDPの決定式は、

f:id:sk6960:20160518113353j:plain
になる。
同様に、外国のGDPの決定式は

f:id:sk6960:20160518113419j:plain
で表される。
 上記の2国のGDP決定式から、自国や外国の財政政策の変更が両国のGDPにいかなる影響を与えるかが明らかにされる

 

(設問1)
 文中の下線部について、自国の政府支出Gが増加した場合の経済効果の説明として最も適切なものはどれか。

ア 外国では経常収支の悪化を通じてGDPが拡大する。
イ 外国のGDPの拡大を通じて自国の輸出が誘発され、自国のGDP拡大効果は
  大きくなる。
ウ 自国では経常収支の改善を通じてGDPが拡大する。
エ 自国のGDPを増加させるが、外国のGDPを減少させ、近隣窮乏化を引き起こ
  す。

 

(設問2)
 文中の下線部について、外国の政府支出G*が増加した場合の経済効果の説明として最も適切なものはどれか。

ア 外国では経常収支の改善を通じてGDPが拡大する。
イ 外国のGDPを増加させるが、自国のGDPを減少させてしまう。
ウ 自国では経常収支の悪化を通じてGDPが減少する。
エ 自国では輸出が誘発され、経常収支の改善を通じてGDPが拡大する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問題文を読むといかにも小難しそうに感じるのですが実は大したことありません。貿易を加味した2国モデルにおいて、財政出動した場合の自国および外国の経済効果を問われているだけです。

自国において拡張的財政政策を行うと、
IS曲線が右シフトしますから自国の利子率が上昇します。この利子率は市場利子率ですから自国ではGDPの増加を通じて取引需要が増加し、利子率が上昇することにより投資量が減ることになります。また自国ではGDPの増加に伴い、輸入が増加します。輸入の増加は自国通貨の増価を意味しますね。
一方、自国で輸入が増加するということは外国では輸出の増加と意味します。
輸出が増加するということは経常収支の改善によって外国のGDPが増加します。
GDPが増加した外国は、自国からの輸入を増やす、つまり自国の輸出が増加することになり、自国の通貨は減価することになります。自国は経常収支の改善によりGDPが増加するというストーリーです。

なお、金融緩和策は近隣窮乏化政策をとなることに注意しましょう。
これらをふまえて設問1からみてみます。

設問1です。
ア:自国の政府支出を増加させると、それはつまり拡張的財政政策なので自国のGDPは増加します。取引需要の増加に伴い、利子率は上昇しますね。自国のGDP増加に伴い、輸入が増加しますが、それは外国から見れば輸出です。外国の輸出増加は外国の経常収支改善につながりますから本肢は不適です。
イ:自国で拡張的財政政策を行うと、自国のGDP増加に伴い輸入が増加します。輸入は増加は、外国から見れば輸出の増加ですから外国は経常収支が改善します。ゆえに外国の経常収支が改善するのに伴ってGDPが増えます。GDPが増加することで外国の輸入が増加します。外国の輸入増加は、自国の輸出増加ですね。輸出増加は経常収支改善ですから自国もGDPが増加します。つまり本肢は正しい記述です。
ウ:自国の拡張的財政政策では、政府支出の増加によりGDPが増えます。経常収支の改善を通じて増えるのではないです。
エ:近隣窮乏化になるのは金融緩和策ですから不適です。
以上により、正解は、イ である。

設問2です。
外国の政府支出が増加した場合のストーリーも同じ理屈です。
ア:外国での拡張的財政政策は政府支出の増加により、GDPが増加しますから不適。
イ:金融緩和策ではないので外国、自国ともにGDPは増加していきます。ゆえに不適。
ウ:GDPが増えた外国では輸入が増加します。外国の輸入は自国の輸出ですから自国は経常収支の改善を通じてGDPが増えていきます。ゆえに不適。
エ:ウで述べたように、外国のGDP増加は輸入を増やし、結果、自国の輸出が増えることで経常収支が改善しますね。経常収支改善を通じて自国のGDPが増えていきますから本肢は正しい。

ゆえに正解は、エ である。

問題文中にある決定式とか、本当は意味があるんだろうけれどねぇ。