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自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成19年度 第9問】

【平成19年度 第9問】
 金利平価説によれば、国際的に金融資産への投資を行うことにより、次式が成り立つところで為替レートが決まると考えられている。

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 ここで、r:日本の利子率、r*:アメリカの利子率、ee:円建てで示した予想為替レート、e:円建てで示した現実の為替レートとする。
 この式の意味するものとして、最も適切な記述はどれか。

ア アメリカの利子率が日本の利子率より高いとしても、現実の為替レートが円高・
 ドル安の方向に動けば、日本の金融資産に投資することが有利になる。
イ 左辺は日本の金融資産への投資に伴う収益率、右辺はアメリカの金融資産へ
  の投資に伴う収益率であり、左辺が右辺より大きければ、日本への投資が増加
  し、為替レートは円安・ドル高になる。
ウ 日本の金融緩和は、国内利子率を低下させて為替レートを円高・ドル安の方向
  に変動させる。
エ 予想為替レートが円高・ドル安の方向に動けば、現実の為替レートも円高・ドル
  安の方向へと動き、予想の自己実現が見られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

診断士試験では金利平価説がよく出されるそうです。
似たような理論に購買力平価悦がありますが、まずは購買力平価説から確認してみましょう。

購買力平価説の説明では、ビッグマックレートが有名ですね。
結論は、「他国の物価上昇は自国通貨を増価させる」というものです。
たとえば、
2001年、日本のビッグマックは200円。アメリカのビッグマックは1ドルでした。
2011年、日本の物価は変わらないけれど、アメリカの物価が上昇して、ビッグマックが2ドルになったとしましょう。

 2001年 ビッグマック=200円=1ドル
 2011年 ビッグマック=200円=2ドル

 つまり、1ドル=200円が1ドル=100円になっていますね。つまり円高ドル安です。購買力平価説とは、相手国の物価上昇は自国通貨の増価をもたらし、買うことができる財の量が同じになっていくという理論です。

それに対して、本問は金利平価説です。
購買力が同じになっていくというのが購買力平価説でしたから、
金利平価説は、金利が同じになっていくみたいなイメージでしょうか。

金利平価説は「二国間に金利差があっても収益率が等しくなるように為替レートは決まる」という理論です。
たとえば、
 日本の金利=1%
 アメリカの金利=10% 
 自国通貨建て為替レートが1ドル=100円  だとしましょう。

 日米間の金利には差がありますね。日本=1%であり、アメリカ=10%です。
いま、100万円を日本国内で運用しようとしますと、国内金利=1%ですから、1年後には、将来価値=現在価値×(1+金利)でしたね。ですから、
  100万円×(1+0.01)=101万円 ・・・① となるわけです。

次に最初に出てきた100万円をアメリカで運用するとどうなるでしょうか?
1ドル=100円ですから、100万円=1万ドルです。

1万ドルを金利10%で運用するのですから、
  10,000ドル×(1+0.1)=11,000ドル ・・・②  ですね。
ちなみにこの11,000ドルを日本円に交換すると、1年後も1ドル=100円であれば、110万円です。
とはいえ、1年後の為替レートは分かりません。
金利平価説では、二国間の収益率①②が等しくなるように為替レートが決まるとしているので、1年後の為替レートをr*とすると、次の式が成り立ちます。

 国内運用の101万円=アメリカでの運用の11,000ドル×為替レートr*

これをr*について解くと、r*=約92円  と決まるはずだと考えるのが金利平価説です。

これを一般化してみます。
日本の金利:rj  アメリカの金利:ra  現在の為替レート:e  1年後の為替レート:ee  だとすると、

 ee = (1+rj)/(1+ra) × e ・・・③

これを整理すると、

 rj = ra + ( ee - e )/e ・・・④

が成り立ち、本問冒頭の式に紹介されているわけです。

選択肢を検討しながら確認してみましょう。

ア:アメリカの金利の方が高いということは、金利平価説によれば、円高ドル安になるということです。日本の金融資産を得るためにドルを売って円を買う動きになっているから円高ドル安になっているわけです。そうすると高かったアメリカの金利と低かった日本の金利が同じになっていきますからアメリカの金利は下落、日本の金利は上昇します。そこで投資は利子率の減少関数であることを思い出してください。利子率(金利)が低いほうが投資量は増えますので金利(利子率)が低くなるアメリカに投資するほうが有利です。ゆえに本肢は不適です。
イ:左辺=日本の収益率、右辺=アメリカの収益率 なのは正しいですね。左辺>右辺 だということは、日本の収益率のほうが高いケースです。すると、アメリカの資金が日本国内に流入してくるので円高ドル安になるはずですね。ゆえに不適。

ウ:日本が金融緩和策を行うと、LM曲線が右にシフトしますから利子率は下落します。すると、海外資金が流出するので円がタブつくようになります。すなわち円安ドル高です。ゆえに「円高ドル安」とする本肢は不適。
エ:上記③式をみてみましょう。予想為替レートはeeです。eeが円高ドル安の方向に進むと、左辺イコール右辺になろうとして、右辺のeも円高ドル安の方向に動きます。ゆえに本肢は正しい。

以上により、正解は、エ である。

ってか、この問題は悪問だなぁと思います。