経営法務【平成23年度 第9問】
【平成23年度 第9問】
商標法上の商品に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 運送業者が、貨物自動車の運送の提供に関連して使用する段ボール箱を役務
の提供とは独立して継続的に販売する場合には、その段ボール箱は、商標法
上の商品である。
イ 商品は、流通性のあるものでなければならないため、料理屋の店内で飲食の
ために提供される料理は、商標法上の商品ではない。
ウ 予備校で講座の教材として用いられる印刷物は、独立して取引の対象とされ
る場合であっても、商標法上の商品ではない。
エ 料理屋が店頭で包装箱に入れて継続的に販売する料理は、商標法上の商品で
ある。
さーて、商標法に入ってきましたね。特許と並んで商標に関連する出題が多いのが診断士試験の特徴なんでございますですよ。
実は、商標法においては、商品の定義を明確に定めていないんですね。商標法って一風変わっているのかもしれません。
ところで、その商品の定義ですが、判例や学説によれば、「独立性、有償性、流通性、動産性」がなければ商品といえないとしているようだ。市場取引で独立して売買される動産ってことでしょうか(笑)
選択肢をみてみよう。
アは、運送の提供に関連して使用する段ボール箱を独立して継続的に販売ですから、段ボール箱単品で売買できるので商標法上の商品といえそうです。よって、正しい記述です。
イは、商品は流通性のあるものでないといけませんね。料理屋の店内では流通性があるとは言えないから商品ではないです。よって正しい記述。
ウは、独立して取引の対象になれば商品でしょ? これが正解か。
エは、料理屋が包装箱に入れて、店内で供される提供物とは区別しているのであるから独立性があるといえる。しかも販売しているから商品だといえそうですね。よって正しい記述です。
したがって、やっぱり、ウ が正解です。