経営法務【平成25年度 第12問】
【平成25年度 第12問】
次のa~eの著作物の利用行為のうち、著作権者の許諾なしに行った場合、著作権法のもとで、①「刑事罰の対象となることもあり得るもの」、②「刑事罰はないが民事上違法となり得るもの」、③「適法なもの」の組み合わせとして最も適切なものを、以下の解答群から選べ。
a 個人的に視聴する目的で、映画DVDのアクセスガードを解除して内容をコ
ピーする行為
b 企業活動のPRに使用されている動物をデフォルメした「ゆるキャラ」の顔
のデザインは変えないままで、その体中の毛をむしり取られて丸裸にされて
いるという状況を表現した画像を、企業としての事業活動とは関係ない当該
企業の社長の個人的活動を批判する目的で、自分のブログにアップロードす
る行為
c 有料音楽ファイルのコピーを違法にアップロードしたサイトと知りながら、
当該サイトから個人的に楽しむ目的で音楽ファイルをダウンロードする行為
d 企業における研究開発業務の参考資料として新聞や書籍、雑誌をコピーし
たPDFファイルを、すべての事業所の従業員がアクセスし、閲覧できるサー
バーコンピュータに保存する行為
e クールビズの時期に撮影した従業員の集合写真で、うち1人が着たTシャ
ツにプリントされた漫画キャラクターが小さく移り込んでいるものを、画像
処理しないまま当該企業の職場紹介のホームページにアップロードする行為
〔解答群〕
ア ①:a ②:b と c ③:d と e
イ ①:a と d と e ②:c ③:b
ウ ①:b と c ②:a と e ③:d
エ ①:b と c と d ②:a ③:e
これは改正論点について問うているのでしょうか。いわゆる写り込みの論点が出ていますね。
刑事罰になるような違法行為は、最も悪質な行為だとしましょう。適法な行為はなんら問題ない行為ですから、適法な行為を探す方がラクチンかもしれませんね。
さっきの言ったように、「写り込み」は違法行為ではないです。また個人で楽しむ目的で行うコピーも違法行為ではないです。
そうすると、e の肢は「適法」なものだと分かります。ゆえに、正解は、アまたはエに絞ることが出来ました。
そこで、最も悪質な行為が刑事罰ありとする方向性で考えます。
アクセスガードを解除する a と、ゆるキャラをいじくり個人攻撃する b とで、どっちがより悪質かを検討します。ま、 b の方が悪質かな。
ゆえに正解は、エ です。
なお、アクセスガードは外されたら困るので付いているわけでそれを無理矢理外す行為は著作権の侵害行為。ただし、刑事罰はなし。
また、「違法と知りながら」という記述は「違法行為」なんですね。
ちなみに d も刑事罰が課せられる可能性があります。すべての従業員がアクセスできるのが少しやり過ぎかも。
それにしても「適法」「違法」なんか似てるから勘違いした人もいただろうなぁ。「合法」って書けばいいのに、これって嫌がらせかな?