経営法務【平成19年度 第7問】
【平成19年度 第7問】
外国出願については、各種国際条約や取り決めがなされており、出願の種類、出
願希望国とその国数、出願費用等により、さまざまな出願方法が選べるようになっている。
あなたが、顧問先の会社から外国出願について相談を受けた際のアドバイスとして、最も不適切なものはどれか。
ア 日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアで特許権を取得したいというこ
とであったので、日本でまず特許出願を行い、その後、この日本での特許出願
に基礎を置く優先権を主張してヨーロッパ特許条約(EPC)に基づくヨーロッパ
特許出願をするように勧めた。
イ 日本、中国、韓国、シンガポール、ベトナムで商標権を取得したいということ
であったので、マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願をするように
勧めた。
ウ 日本、中国、韓国、台湾、インド、アメリカ、カナダ、イギリスで特許権を取
得したいということであったので、特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願
をするように勧めた。
エ 日本、中国、韓国で特許権を取得したいということであったので、まず、日本
へ特許出願を行い、その後パリ条約に基づく優先権を主張して、中国、韓国へ
国別に特許出願を行うように勧めた。
あまりスピテキにも詳細な記載のなかった分野ですね。
テキストに書かれている範囲は確実に押さえるようにしてそれ以外が出たら鉛筆を転がすくらいに思っていた方がいいかもしれません。
ってかさぁ、この問題って平均点を調整するために設定した問題としか思えないんだけれど。
選択肢を見ます。
ア:ヨーロッパ特許条約(EPC)はヨーロッパ諸国が加入できる条約であり、日本は加盟できません。ですが、出願することそのものはできるようです。
イ:マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)とは、商標の保護に関する国際条約です。商標に関する国際条約って覚えればいいや。自国の特許庁に出願すれば、複数の国に商標登録出願したのと同じ効果が得られる制度があります。
ウ:特許協力条約(PCT)は文字通り特許に関する条約です。自国の特許庁への出願で複数の国に特許出願したのと同等の効果があります。本肢の記述中に「台湾」とありますが、台湾はこの条約には未加盟です。だから本肢が不適です。そんなん分かるかっ!
エ:パリ条約は特許制度を有するほとんどの国が加入している知的財産権に関する国際条約です。
ゆえに、正解は、ウ である。