経営法務【平成17年度 第10問】
【平成17年度 第10問】
フランチャイズ契約に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
ア フランチャイズ契約では、通常、フランチャイザーがフランチャイジーに経
営上、技術上、営業手法上の指導援助を行う義務を負う一方、フランチャイ
ジーはこれに従う義務を負う。
イ フランチャイズ契約では、通常、フランチャイザーがフランチャイジーに対
し経営上、技術上、営業手法上のノウハウを開示する一方、フランチャイ
ジーが秘密保持義務を負う。
ウ フランチャイズ契約では、通常、フランチャイザーとフランチャイジーがフ
ランチャイズパッケージの開発とフランチャイズシステムの拡大の目的と共
有するため、双方とも競業避止義務を負う。
エ フランチャイズ契約の締結にあたり、フランチャイザーが実態を隠し不当に
表示をして勧誘を行った場合、これを信じてフランチャイズ契約を締結し、
損害を蒙ったフランチャイジーは、フランチャイザーに対し、損害賠償を請
求することができる。
フランチャイズ契約に関する論点です。フランチャイズ契約はB to B契約ですから消費者保護法制の対象になりません。つまり消費者契約法の適用がないということですね。
さて、問題そのものはそんなに難しいもんじゃないです。選択肢を見てみましょう。
ア:フランチャイザーは指導側、フランチャイジーは受ける方ですね。別に誤りとは思えません。
イ:フランチャイジーは受ける方ですからこれも不適な部分は見当たりません。
ウ:フランチャイザーは指導側であり、いわゆる「のれん」を分け与える方ですからフランチャイザー側が競合避止義務を負うとするとフランチャイズシステムの拡大がなくなってしまいますよね。だから本肢は不適だといえます。
エ:フランチャイザー側が実態を隠して勧誘した場合は不法行為に該当します。
以上により、正解は、ウ である。