体得と理解と
何度も言うようだけれど、著者が診断士試験を目指したときに財務会計がネック科目になると思っていた。自分にとっては未知の領域であったし、食わず嫌いな面もあった。だから最初に財務会計と向き合ったとき、理解よりも体得だと思った。だから理解は後回しにして手を動かすことを優先し、なんとか平均点が取れるようになろうと思ったものだ。
財務会計について無知であったがために、さまざまな情報を入手した結果としてスピテキやスピ問を回転させることでナントカというような意思決定をした。その結果、一年目の一次試験は平均点が高かったにも関わらず科目合格すらできず惨敗した。
やはり自分は体系的な理解が必要だと思ったのは一次試験惨敗後の8月下旬のことだった。だから(遅ればせながら)簿記学習を始めたのだ。
診断士試験は100点を取らせないために重箱の隅を突くような問題を出す傾向が強い。制度会計も管理会計もファイナンスも難問は出る。仕方のないことだ。
ある意味では簿記というのはルールだから体を動かすことで習得し、理解は後回しのようなイメージがある。自分にとっては簿記論点を学習したことで点と点がつながったような感触を得た。一年目の学習で分かったような分からないような論点は、簿記を学んだことで理解できるようになった。
だから著者にとっては簿記学習は十分に効果のあるものであった。簿記2級までの学習を終えた段階で、財務会計の一次試験は突破できる確信を得た。5月のLEC模試と7月のTAC模試もそれなりの手ごたえをもった。本試験は76点。ミスった問題のすべてが最後の2択で負けたもので、全く分からなかった問題はなかった。
著者は独学であり、受験予備校のお世話になったのは一次試験の模試だけだ。だから受験校の学習のスケジュールなどは皆目見当も付かないが、受験校に通えるのであれば受験校の力を借りるのが賢明だろう。
ま、受験校の多くは
「簿記は不要」
と言うのだろうけれどね。