満点を狙いに行った事例Ⅳ。だが、それは儚く崩れ去り
事例Ⅳは満点を狙いにいった。少なくとも試験前にはそう考えていた。
しかし、試験開始後、問題を眺めたとき、方針を変えた。「耐えよう」と。
そして足切り回避で、1点ずつ点数を積み上げていくべきだ、と思い直した。
最初のゆさぶりは経営分析だった。与件文に明確な根拠はないのは最近の傾向だったが、指標のうち優れているのを③に書くこと自体、例年とは違った。
あまり経営分析に時間をかけるのは得策ではなくさっさと仕上げようと思ったが、苦戦を強いられた。
感度分析と損益計算の問題。迫る時間の中で確実に解けた実感がない。これで焦り。精神的にやられそうになった。
差額キャッシュフローの問題。意思決定会計になだれ込むパターンのやつ。これも出来た実感はない。心が折れそうになった。ヤバい。
最後は記述問題。なんとか3問書ききった。
見直し中、間違いを見つけて修正できたくらいしか覚えていない。
アタマん中真っ白だった。
精神的に、心が折れかかった。
でも耐えた。一年間の苦労を思ったら、最後まで諦めずにやりきろうと思った。それしかやれることがなかった。
半分も取れてれば御の字だろう。
昨年の事例Ⅳは易しかったが、自分としては不出来だった。解釈の難しい問題で精神的にやられてしまい、それを引きずってしまったのだ。
今年はどうか。
今年の事例Ⅳは難しかったと言われているが、自分は解いてみせるという自信とそれを裏付けるだけの準備をしてきた。
だが、・・・。
だが、しかし、その裏付けをいとも容易くひっくり返され、ゆさぶられたのだ。
ヤバい、と思った。
変な脂汗が出てくるのが分かった。
しかし、なんとかしがみつき、粘ろうと考えた。諦めたら終わり、とはこのことだったのか。ここで退場するわけにはいかない。
とうとうゆさぶりに(勝てなくても)負けずに踏みとどまった。
空欄を作らず解き切ったからだ。
でもそれだけだった。