自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

受験を目指そうと思ったのはかなり前のことだった

診断士試験を目指したのは2014年の夏だった。

受験の動機は、端的に表現すれば、自己啓発目的であり自分に“箔”を付けることであった。

 

試験科目が7科目もあったため、さすがに一発合格は難しいのではないかと思ったがどうせやるからにはストレートで合格したいと思い、1年間みっちりと時間をかけて2015年度の合格を目指した。

学習の方法は独学。通学や通信は全く考えなかった。

市販されている「スピードテキスト」を購入し、まずは input 。次に「スピード問題集」を購入し output を開始。最後に「過去問マスター」を使用して試験を迎えるというバクッとしたストーリーを描いた。

 

学習を開始する前に、ネックになる科目は財務会計だと思っていた。というのもボキなぞ未知の世界だったし、自分には縁のない世界だと思っていたのだ。

いろいろな情報はネットを活用して集めた。

 

財務会計は簿記は不要。

簿記は必要。

体得する。

過去問だけで受かる。

アウトプットが大事。

・・・。

 

言っていることはすべて分かった。それらの情報を取捨選択し、自分が勝てる作戦を練り上げたつもりだった。

しかしながら2015年度の一次試験は惨敗だった。

 

なぜか?

 

戦略に基づいた戦術がなかったのだ。

ただネットに溢れる情報から取捨選択して自分に都合よく解釈し、アウトプットが大事だという情報を鵜呑みにし、過去問レベルが解ければ何とかなるとさえ思っていたのだ。現実は違った。

 

2015年度の一次試験が終わった翌日から次年度に向けて学習を始めた。経済学と財務会計があと一歩のところだった。だから初日のAM中の、この2科目強化することにした。経済学は好きだし、財務会計はただの食わず嫌いだったことが分かったからだ。

 

自分を分析するに、過去問が大事だから、というのは理解できるが、自分にはまず体系的な理解が必要で、その上でアウトプットをするようにしないとダメなことがわかった。結果的に自分に合う学習法が見つけられなかったことが敗因だったのだ。

だから経済学は石川の経済で理解を優先した。財務会計は簿記3級と2級の学習を通じて理解と体得をパラレルで進めることにした。法務と情報は60点ギリギリの戦いをしよう。過去問レベル以上の難しい論点が出たら諦める。基礎基本のみに専念しよう。得意科目で点数を稼ぎつつ、苦手科目は踏ん張ることを戦略とし、そのための戦術としては石川の経済を使って経済学を、簿記習得を通じて財務会計を、高得点化させることとした。

2015年度の一次試験が突破できなかったのはそういう大枠の戦い方が分からなかったからだ。つまり自分は一度目は微妙だが、一度目の反省を踏まえて二度目に成功するタイプなのだと理解した。

 

戦い方を決めた後ではそれを実行するだけだった。順調に石川の経済をミクロ、マクロと仕上げた。結局、スピ問はおろか、過去問すら解かなかった。受験校の模試ではその成果が見られ、LEC模試でもTAC模試でも高得点をたたき出すことが出来た。一方、財務会計は簿記を習得し、ファイナンスの基礎まで踏み込むことが出来た。受験校の模試ではLECもTACも80点以上をたたき出すことができた。

結果、2016年度の一次試験を突破した。初めての二次試験を迎えることになる。

 

 

初めての二次試験で不安はあった。

内部要因的にはいつまで経っても80分で解けなかった。金型化も出来なかったしキーワードの抽出も出来なかった。外部要因的には直前期の10月の平日、仕事が超多忙で全く勉強できなかったので勉強不足を露呈し、難しくなかった本試験でずっこけてしまった。得点開示の結果、カンタンだった事例Ⅳが取れていなかった。

 

そりゃそうだ。CF計算書が出来ていないし。NPVは諦めていたからどうでもいいけれど、CF計算書がダメだった時点で退場処分だったのだ。

 

だから二度目の二次試験に向けては事例Ⅳ対策を強化する必要があった。

平成18年度~28年度の事例Ⅳを徹底分析した。営業CFもNPVもCVP分析も時間を費やせたことで準備万端といえるレベルになった。事例Ⅰ~Ⅲは「事例問題攻略マスター」を使い出したことで開眼を経験した。そもそも二次試験とは何か、が理解できていなかったのだ。

やはり初めてには弱いな、と苦笑しつつ、2017年度に二次試験を迎えたということになる。

 

結果として事例Ⅳは難しかった。正解が書けた自信がない。

事例Ⅰ~Ⅲもワケわからない。正解に近い回答が出来たのかどうかさえわからない。

 

 

やっぱ、奥が深いな、この試験。

 

二次試験、神田駅からの帰宅の足が遅かった。

出来なかったという感触しかなく、絶望感に苛まれていたからだ。

 

今もそう。

どう嘆いたって結果は変わらないから開き直っているだけ。