自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成20年度 第5問】

【平成20年度 第5問】
財政の役割に関する説明として最も適切なものはどれか。

 

ア インフレ・ギャップが生じている場合、物価を安定させるために
  政府支出の縮小が必要とされる。
イ 限界貯蓄性向が大きいほど、租税乗数は大きくなる。
ウ 減税は可処分所得の減少を通じて消費を拡大させ、GDPを増加させる。
エ 政府支出の拡大と減税を同規模で行った場合、GDPは一定に維持される。
オ 定率的な所得税は景気後退を自動的に防止する役割を果たすが、
  これを「裁量的財政政策」と呼ぶ。

 

 

 

 

 

このような大雑把な設問要求の場合には消去法がベターです。
アから検討しましょう。
アは、インフレ・ギャップとありますね。45度線よりも上側に総需要がある場合です。要するに超過需要のケースです。そこで政府支出を増加させるとますます有効需要を作り出すことになりますから、政府支出の縮小が必要です。本肢は正解の候補です。
イは、租税乗数は、-b / 1 - b でした。この式の 1-b が限界貯蓄性向です。限界貯蓄性向が大きいほど租税乗数は小さくなりますね。ですからイは不適です。
ウです。減税は可処分所得を増加させます。減税とする記述は不適です。
エは、政府支出の拡大と減税を同規模で行うということは、いずれも有効需要を創出する役割のある財政政策です。つまり、GDPは増えるので「一定に」とする記述は不適です。
オです。財政政策には、裁量的財政政策と景気の自動安定化装置の二つに分類されます。裁量的というのは政府が適宜行う財政政策のことであり、景気の自動安定化装置(ビルト・イン・スタビライザー)は予め組み込まれた景気調整の仕組みです。ですから「裁量的」とする本肢の記述は不適だと分かります。
したがって、正解は、ア です。