自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

経済学・経済政策【平成23年度 第8問】

【平成23年度 第8問】
下図は、開放経済下におけるマクロ経済モデルを描いたものである。

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いま、小国モデル、完全資本移動、変動為替レート制、物価の硬直性、為替レートの静学的な予想を仮定する。下図では、これらの前提に基づき、生産物市場の均衡を示すIS曲線、貨幣市場の均衡を示すLM曲線、自国利子率と外国利子率の均等化を示すBP曲線が表されている。
政府支出の増加に伴う効果の説明として最も適切なものを下記の解答群から選べ。


〔解答群〕
ア 政府支出の増加は、IS曲線を右方にシフトさせ、所得の拡大を生じさせる。
イ 政府支出の増加は、IS曲線を右方にシフトさせ、金利差に伴う大規模な資本
  の流出を引き起こし円高を招く。
ウ 政府支出の増加は、クラウディング・アウトを通じて民間投資支出の減少を
  引き起こす。
エ 政府支出の増加は、それを完全に相殺する経常収支の悪化を引き起こし、所
  得に影響を与えない。

 

 

 

 

 

 

 

完全資本移動、変動相場制のマンデル=フレミングモデルです。
政府支出の増加は、
IS曲線右シフト
②自国利子率上昇
③海外資金流入
④資本収支改善
⑤円高ドル安
⑥輸出減による経常収支悪化
⑦財の需要減による所得の減少
でしたね。
これらを踏まえて選択肢を検討しましょう。
アは、所得は拡大しないから×です。
イは、資本が流入しますから×。
ウは、IS-LM-BP分析では、相対的に自国利子率が上昇するだけでIS-LM分析で見られるような利子率上昇に伴うクラウディングアウトは発生しないので不適
エは、経常収支悪化、ゆえに所得は増加しないだから正しい。
以上により、正解は、エ である。