自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【平成25年度 第22問】

【平成25年度 第22問】
輸入業を営むA社は、3ヵ月後にドル建てで商品の仕入代金を支払う予定である。A社が為替リスクをヘッジするときの取引として、最も適切なものはどれか。

ア ドル売りの為替予約を行う。
イ ドル買いの為替予約を行う。
ウ ドル建ての借入を行い、為替の直物レートで円を買う。
エ ドルの3ヶ月物コールオプションを売る。

 

 

 

 

 

 

 

たとえば、金利や手数料などを考慮しないとすると、直物レートが1ドル=100円だとすると、
A社は輸入業だから、10ドル分の商品を仕入れた場合、1,000円を支払う必要がある。つまり、円安に振れると支払いに要する円が増え、円高に振れると支払いに要する円が減る。輸入業は“円高有利”だということ。だって、円の動きと輸出価格の動きは同じなんだからね。

ア ドル売りの為替予約
 決済時のドルの受取を確定させる取引ですな。例えば、100ドルを確定させたいので、100ドル=10,000円で為替予約したとしようか(つまりは1ドル=100円)。
輸入業は“円高有利”になるんだから、円高にさせちゃおう。1ドル=80円の円高になったとすると、直物では100ドル=8,000円で済むところが、為替予約した結果、2,000円多い支払いになるのでこれは輸入業には不向きだ。

イ ドル買いの為替予約
 これってフツーに言うところの「為替予約」のパターンだよね?
すっと、円の受取を確定させる取引ってことね。10,000円の受取を確定させたいのでドル買い(円売り)の為替予約を1ドル=100円でした場合、1ドル=80円の円高になると、直物では、8,000円の受取に対して、為替予約をしたので、10,000円が確定になっている。だからドル買いの為替予約は輸入業にとってはリスクヘッジになりうる。

ウ ドル建ての借入、直物で円買い
 まず100ドル借りたとしましょう。このときは1ドル=100円だとする。だから10,000円を支払ってドルを100ドル借り入れたということになりますかね。円高になり、1ドル=80円に振れたとしましょう。直物で円を買うと、1ドル=80円ですから100ドル=8,000円となり、損してしまいますね。

エ ドルの3ヶ月物コールオプションを売る
 限月が3ヶ月ってことかな? コールオプションは「買う権利」で、これを売るわけですから、「買う権利を売る」ということっすかね。そもそもコールの売りポジションは損失が無限になりえるよね。だからリスクヘッジの手段としてはよくないのではないか?

よって、正解は、イ である。