自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【平成21年度 第6問】

【平成21年度 第6問】
 当社は個別原価計算制度を採用している。原価計算表および製造・販売状況、製造勘定、製品勘定は以下のとおりである。直接材料費と直接労務費の合計額に基づいて製造間接費を配賦するとき、当月の製品製造原価と売上原価の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

f:id:sk6960:20160308173837j:plain


〔解答群〕
ア 製品製造原価 10,100  売上原価 8,200
イ 製品製造原価 10,100  売上原価 8,600
ウ 製品製造原価 11,200  売上原価 9,300
エ 製品製造原価 11,200  売上原価 9,700

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個別原価計算に入りましたね。これがみみっちい感じがしたものです。
製造原価と売上原価を問うていますが、製造原価は当月に完成した製品について、売上原価は当月に引渡し済みの製品について算出しましょう。
まずは与件を整理します。

 製造指図書#90 前月完成 当月引渡し
 製造指図書#91 当月完成 当月引渡し
 製造指図書#92 当月未完成
 製造指図書#93 当月完成 当月引渡しナシ

だから製造原価は#91と#93の合計を、売上原価は#90と#91の合計を求めてあげればいいことになります。

それでは原価計算表をやっつけましょうか。
下図のように①~⑫までの記号を付してあります。

f:id:sk6960:20160308173914j:plain

まずは製造間接費の⑧が出せそうです。⑧=400 です。すると⑨=5,200 が判明します。

与件より、製造間接費は直接材料費と直接労務費に基づいて配賦とあります。製造指図書#91について、製造間接費が求まりましたからこれを手がかりにどう配賦しているかを求めます。
#91は直接材料費=400 直接労務費=600 合計=1,000 であり、#91の製造間接費=400 ですね。そうすると、直接材料費と直接労務費の合計の40%を配賦していることが分かります。
したがって、次に分かるのが④⑥です。④=2,100 ⑥=1,900 ですね。
芋づる式に⑤⑦も分かりますから、⑤=4,100 ⑦=3,900 ですね。
ここまでで判明していないところは①②③⑩⑪⑫です。
①②は前月繰越ですが、②の#93は当月の着手です。前月繰越=ゼロのはずです。ゆえに②=ゼロ。だから⑪=4,900 が判明します。
これ以上原価計算表だけでは埋まらないので次に製造勘定をみてみましょう。
ところで、#91と#92は前月着手ですね。だから繰越があるはずです。
製造勘定によると前月繰越=6,200 とあることから#91と#92合わせて6,200が繰り越されたことが分かります。#91の前月繰越=3,800 だと分かりますので#92の前月繰越=2,400と判明。①=2,400。ゆえに⑩=7,300 です。
よって、③=6,200 ⑫=17,400 ということになります。

したがって、製品製造原価は当月に完成したものについて算出するので、
#91=5,200 #93=4,900 だから合計で10,100です。
売上原価は当月に引渡しがあったものだから、
#90=3,400 #91=5,200 だから合計で8,600です。

以上により、正解は、イ である。

 

製造勘定からでも原価計算表に数字をはめることは出来ますが・・・。
合計が合っているかどうかの確認だけにしか使いませんでした。

f:id:sk6960:20160308173956j:plain