自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第33話 運営管理④ 生産方式

今回は生産方式からレビューする。

ライン生産方式とは、いわゆる流れ作業のことで、JISによれば、「生産ライン上の各作業ステーションに作業を割り付けておき、品物がラインを移動するにつれて加工が進んでいく方式」と定義している。なお、作業ステーションとは「生産ラインを構成する作業場所であり、作業要素の割り付け対象」と定義されている。

ライン生産方式では、各工程間に手待ちや滞留がないように仕事の配分を均等化する必要がある。このように作業者や機械に割り当てる仕事の量を均等化する技法を、ラインバランシングという。ラインバランシングではラインバランス効率(編成効率)とバランスロス率を計算する。

生産ラインは、そのラインで生産する品種数により、単一品種ラインと各品種ラインに分けられる。各品種ラインは生産する品種により、作業ステーションの構成を切り替えるライン切替方式と、多品種を同一ラインに混合して連続的に流す混合品種ラインに細分化される。さらに混合品種ラインは、一定の時間間隔で品物をラインに投入する固定サイクル方式と、品種に応じて時間間隔を変え品物を投入する可変サイクル投入方式に分けられる。

ライン生産方式に対して、セル生産方式と呼ばれる生産方式がある。
セル生産とは、異なる機械をまとめて機械グループを構成して工程を編成する場合の生産方式。なお、このセル生産方式は、グループテクノロジー(GT)を利用する。セル生産方式は、部品運搬の手間や間接作業が減少し、時間短縮と仕掛品の削減が可能になる。先に出てきたグループテクノロジー(GT)とは、多品種の部品をその形状、寸法、素材、工程などの類似性に基づいて分類し、多種少量生産に大量生産的要素を与える管理手法」とJIS定義されている。

U字生産ラインとは、U字型の形状をとる生産方式で、この形状をとることによって、1人の作業者に割り付ける作業の組み合わせが豊富になる、とJIS定義されている。U字生産ラインは、一般のライン生産方式とは異なり、作業者は設備に固定されない。レイアウト上、工場の作業スペースを多く必要としないというメリットがある。作業者は多能工化が前提
1人生産方式とは、1人の作業者が通常静止した状態の品物に対して作業を行う方式とJIS定義されている。1人の作業者が検査を含めたすべての作業工程を行うもの。

ここでセル生産方式のメリット・デメリットをまとめてみる。
<メリット>
ライン生産方式に比べて工程間のバラツキが最小化される
・工程間の仕掛品が少なくなる
・製品ライフサイクルの短命化、多種少量生産に対応しやすい
・少額の設備投資で済む
・不良を作り続ける前に素早い対策が打てる
<デメリット>
多能工化への作業者の育成が容易ではない
・習熟ロスが発生する
・熟練作業者が必須
・製品設計、生産設計、組立容易性が必須

続いては、管理・生産方式について概観する。

まずはジャストインタイム生産方式(JIT)
ジャストインタイム(以下、JIT)は、トヨタ生産方式の中核的な基本思想である。JISでも定義されている。とても長い文章になっている(笑)

かいつまんでJITの特徴を書き記すと、JITの狙いは、①中間仕掛品の削減  ②生産工程がスムーズに流れること  ③生産リードタイムの短縮 の三点とする。またJITは後工程が使った量だけ前工程から引き取る方法であることから、後工程引取方式(プルシステム)ともいう。

自働化とは、機械設備の異常(不良)発生時に自動停止させムダと異常を顕在化させるシステムのこと。なぜなぜ分析などを用いて二度と同じ異常が発生しないように改善していく。作業者の自働化をはかる方式として「あんどん」がある。目で見る管理が目的。かんばん方式とは、トヨタ生産システムにおいて、後工程引取方式を実現する際に、かんばんと呼ばれる作業指示票を利用して生産指示、運搬指示をする仕組み。

一時期、ジャストインタイムが流行った。でも多くの企業が採用しようと試みて失敗している。世の中では「トヨタだから出来た」という声が上がった。トヨタが築いてきた下請けのシステムがJITを実現させたと言われたとか。

そこで、JITの導入用件を列挙してみる。
 ① 同期化;各生産工程の同期化を図る
 ② 流れ化;1個流しなどをスムーズに行う
 ③ 段取り改善;段取り時間を短縮する
 ④ 小ロット化;ロットサイズを小さくする
 ⑤ 多能工
 ⑥ 平準化生産;生産品種と生産量を平準化する
 ⑦ 自働化
 ⑧ 品質改善
 ⑨ 保全活動

JIT以外の生産方式をみてみよう。

<オーダーエントリー方式>
 JISによれば、生産工程にある製品に顧客のオーダーを引き当てて、製品の仕様を選択または変更する生産方式、と定義される。
 短期間で市場の変化や個別オーダーに適応することを指向したシステム。

<生産座席予約方式>
 「受注時に、製造設備の仕様日程・資材の使用予定などにオーダーを割り付け、顧客が要求する納期どおりに生産する方式」とJIS定義される。
 製販の情報共有がポイント。それには顧客情報を一元化する必要がある。顧客に対して信頼できる納期を提示できるのがメリット。

<製番管理方式>
 製造命令書を発行するときに、その製品に関するすべての加工と組立の指示書を準備し、同一の製造番号をそれぞれに付けて管理を行う方式、とJIS定義される。製番管理では、製品に対してだけでなく、製品を構成する部品も製番が付され、工程管理、品質管理含めてこの製番を元に処理されることになる。製品単位で確実な手配や工程進捗度の状況の把握が可能になるメリットがある。

<追番管理>
 追番とは「累計製造番号」のこと。追番管理とは、生産の計画と実績に追番を付け、計画と実績の差で手配計画および進度管理を行うもの。

<その他>
アジャイル生産とは、「コアコンピタンスをもつ複数の企業が連携して、特定の顧客のために高品質の製品をスピーディーに開発し、限られた量を生産する方式」。
・常備品管理方式とは、材料、部品、製品を常備品として常に一定量を在庫として保管しておく方式。ダブルビン方式。

 

ま、いろいろとあるよね。