自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第47話 運営管理⑪ 意外と原始的です

今回は作業測定という話。そんなに難しくはないのだが、いろいろとたくさんの言葉が出てくるから整理して、体系付けて理解に努めることが肝要だ。

作業測定とは、「作業または製造方法の実施効率の評価および標準時間を設定するための手法」とJIS定義される。つまり、この作業測定の目的は、標準時間の設定が主であり、それに紐づいて、作業方法の改善や標準化、適正なライン編成、生産効率の測定というふうにつながっていく。

作業測定は大きく分けて、「稼動分析」と「時間研究」に大別される。
ここでも体系化してみたい。

1.稼動分析
  A ワークサンプリング(瞬間観測法)
  B 連続観測法
2.時間研究
  C 標準時間設定法
    C-1 ストップウォッチ法
    C-2 実績資料法
    C-3 経験見積法
    C-4 標準時間資料法
    C-5 PTS法

では、稼動分析から。
稼動分析とは、作業者または機械設備の稼働率もしくは稼動内容の時間構成比率を求める手法である。
この稼動分析にはワークサンプリング(瞬間観測法)と連続観測法とがある。

<A ワークサンプリング(瞬間観測法)
 繰り返し作業に適した手法で、観測が容易なことが特徴。データの整理も容易で、データの信頼性も高い。一方で、深い分析には向いておらず、母数がすくないと誤差が大きくなるという問題もある。

<B 連続観測法
 これは観測対象の作業内容や稼動状態を継続的に観測する分析手法だ。非繰り返し作業やサイクルの長い作業に適している。きめ細かい問題点を抽出できる利点がある一方で、データの信頼性に乏しく、観測にコストがかかるという欠点もある。

次は時間研究だ。
時間研究とは、「作業を要素作業または単位作業に分割し、その分割した作業を遂行するのに要する時間を測定する手法」とJIS定義されている。この時間研究の目的は標準時間の設定と作業の効率化である。
標準時間の設定についてはこまごまとした用語の定義やレイティングなどの手法の紹介もあるのだが、ここでは割愛する。事実、読めば理解できるような内容だし。

次に標準時間の設定方法について挙げてみる。

<C-1 ストップウォッチ法
 要素作業ごとにストップウォッチで時間を測定し、レイティング処理した後、ワークサンプリングなどで余裕率を算出し標準時間を求める方法。

<C-2 実績資料法
 過去の実績資料をもとに標準時間を見積もる方法。個別生産向き繰り返しの少ない作業向き。精度が低い。

<C-3 経験見積法
 熟練工や監督者などの経験者が、過去の経験的判断から時間を見積もって標準時間とする方法。
個別生産で繰り返し作業の少ない作業に適している。主観的で見積者のクセが出る。

<C-4 標準時間資料法
 作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する方法、とJIS定義されている。これは直接時間を観測しているわけではないので、レイティングの必要はない。標準資料作成に手間がかかるという欠点がある。同じ要素作業の発生が多い作業に向いている

<C-5 PTS法>
 既定時間法とも呼ばれ、作業を微動作(サーブリック)のレベルまで分解し、あらかじめ定めた微動作ごとの作業時間値を積み上げて、標準時間を求める方法。微動作レベルなので個人間の差異はないものとし、レイティングは不要とされる。サーブリックだから、道具や機械によりコントロールされる作業には適用できないし、分析に時間がかかる。逆に、短サイクル作業、繰り返しの多い作業には向いている

最後に流動性分析。
流動性分析とは、前工程からの仕掛品の累積受入数量と次工程への累積払い出し数量を日時で比較し、その差から仕掛品の在庫量や過少過多、手痛い時間などを把握するものである。図表は縦軸に累積数、横軸に日時をとるグラフになるが、このグラフから、同一日時での累積受入曲線と累積払い出し曲線との差が仕掛品在庫を表す。また同一数量のときの日時の差が停滞時間を表すことが分かる。

ここまでIEについて概観した。
基本的な試験対策としては読んで理解、スピ問反復で理解、過去問繰り返しで理解、というストーリーでいけるだろう。
大切なことは、忘れないこと、かな。