自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

第48話 経営法務④ 法務の1つ目のヤマ

今回から会社法についてレビューしていきます。

まずは事業の開始等に関する届出。
<法人設立届出書> 
 設立の日から2月以内に税務署に提出
<労働保険>
 労働者を1人でも雇用すれば労基署や職安に届出(10日以内)
社会保険
 法人は1人以上、個人事業は5人以上を雇用すれば年金事務局等に届出(5日以内)

次は商号。
会社は商号を必ず定めなければならず、かつ登記する必要がある
なお、個人事業者の商号の登記は任意で、「会社」という商号を使用することは出来ない。商号の数は1営業について1個が原則。商号貸し(名板貸し)は、貸したほうは連帯して債務を弁済する責任を負うことになっている。登記が禁止される商号は、同一住所・同一名称の商号のみ。

営利を目的とした法人は会社法により株式会社と持分会社に分類される。一昔存在していた有限会社は会社法改正により新たに設立できなくなった。有限会社に代わり、持分会社になったが、その持分会社は、合名会社、合資会社合同会社に分類される。

出資者責任。
会社が倒産したときなどに、会社債権者に対して、個人財産まで含めて負債総額の全額の責任を負うことを無限責任という。
それに対して、社債権者に対して、出資額を限度として責任を負うことを有限責任という。
直接責任とは、会社債権者に対して直接弁済する義務を負うことであり、間接責任は会社債権者に対して、会社に出資する形で支払うこととしている。なお、株式会社は間接有限責任ということになる。

次は株式会社。結構長くなりそう。
株式会社の出資者は間接有限責任。出資額の範囲内で幅広い範囲から出資を募ることが出来る。会社は法人であるから、権利や義務の主体となる地位を有している。だから会社にはいろんな機関設計が必要となるが、機関については後述する。

株式会社の資本は、譲渡可能な「株式」に分割される。これも後述。

株式とは、株主(株式会社の社員、つまり出資者、所有者のこと)の地位のこと。株式会社とは、株式という形で出資を細分化させることで、株式市場を通じて多額の資本調達を可能にした会社のことである。ちなみに株式を株式市場で流通させないタイプの株式会社もありますが、それも後述。

次は最初の山場であります。株式会社の機関について。

会社法における絶対的必要機関は株主総会と取締役のみ
株式会社は定款に定めることによって取締役会、監査役監査役会、会計監査人、委員会、会計参与を任意に設置できる。ただし、一定の場合には設置が義務付けられる機関もあるので注意が必要だ。
なお、取締役、監査役、会計参与を総称して“役員”と呼ぶ。これら役員の兼任は認められていない。
<定款>
 会社の根本規則のこと

1.株主総会
 株主総会は株式会社の最高意思決定機関。よく、取締役会が最高意思決定機関とする間違いが見られるので注意。会社は株主の持ち物だからね、株主総会が最高意思決定機関となるわけ。

 株主総会の権限は、その会社が取締役会を設置しているかどうかで変わってくる。
 ①取締役会不設置会社
  会社法に規定する事項および株式会社の組織・運営・管理その他株式会社に関する一切の事項について決議できる
 ②取締役会設置会社
  会社法に規定する事項および定款で定めた事項に限り、決議できる
つまりは、会社の運営等は取締役会が代行するというイメージになるわけで、いちいちそんなことを株主総会で決議してたら手間ばかりかかるみたいな感じなのだろう。

 株主総会には種類があり、毎事業年度終了後一定の時期に招集が義務付けられる「定時株主総会」、必要なときにはいつでも招集することが出来る臨時株主総会とがある。

定時株主総会は決算総会とも呼ばれ、事業年度終了後3ヶ月以内に招集される

株主総会の招集は原則として取締役が行う。一定の要件を満たしたときには株主も招集を請求することが出来る。

株主総会の決議は1株1票である。原則は多数決によって行われる。要件は決議事項によって異なり、普通決議・特別決議・特殊決議に分類される。なお、定足数は原則として任意に定めることが出来る。

株主総会の議事録は、当該総会の日から10年間、本店に備え置かなければならないまたその議事録の写しを、当該総会の日から5年間、支店に備え置かなければならない

最後に株主の権利。
株主には自益権と共益権とがある。
自益権
 株主が株式会社から経済的な利益を受けることを目的とした権利
共益権
 株主が株式会社の管理や運営に参加することを目的とした権利
 共益権の代表例は議決権の行使。株主総会の招集や議題の追加請求、会社解散の訴え等ができる。

続く。