経済学・経済政策【25年度 第12問】

【平成25年度　第12問】
トービンの q に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア　投資に影響を与えるのは株価であるとされる。
イ　トービンの q が１を上回ると、企業は新たな投資を行いことが望ましい。
ウ　トービンの q が１を下回ると、企業が保有する資本ストックを市場で
　　売却した金額のほうが、その資本ストックを使って企業が生み出す
　　利益よりも小さいことを表している。
エ　トービンの q は、分子に株式市場で評価された企業価値と企業の
　　負債総額の和をとり、分母に資本の再取得価格をとる。

トービンの q は財務会計の過去問にも出てきたやつだよねぇ。初見ではないので、対応は可能だと思いますが。
トービンの q とは、企業価値をすべての資本ストックの再取得額で除した値が１よりも大きいとき、投資を実行すべきだという考え方のこと。ここでいう企業価値とは、財務会計的な企業価値と意味合いが同じで、株主価値と負債価値の和である。

ア；分子の企業価値には株主価値も含まれるから株価が影響を与えると考えられる。だから本肢は正しい記述。
イ；トービンの q ＞１　のとき、投資実行。ゆえに正しい記述。
ウ；なんとも読みづらい肢だこと。要するに、資本ストックの売却額＜企業が生み出す利益ってことだろ？　利益が大きい状態のとき、トービンの q ＞１となるから、「トービンの q が１を下回る」という記述は不適。
エ；記述のとおり。
したがって、正解は、ウ　である。