経済学・経済政策【平成26年度 第23問】
【平成26年度 第23問】
下図は、あるリスク回避的な個人における資産額と効用水準の関係を示したものである。下図で、50%の確率で高い資産Bとなり、50%の確率で低い資産Aとなるような不確実な状況を「状況R」と呼ぶことにする。また、AとBのちょうど中間の資産額Cを確実に得られる状況を「状況S」と呼ぶことにする。「状況R」の期待効用と「状況S」の期待効用を比較したときの説明として、もっとも適切なものを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア 期待効用は「状況R」の方が大きく、この個人のリスクプレミアムは正の値と
なる。
イ 期待効用は「状況R」の方が大きく、この個人のリスクプレミアムは負の値と
なる。
ウ 期待効用は「状況R」の方が小さく、この個人のリスクプレミアムは正の値と
なる。
エ 「状況R」と「状況S」の期待効用は等しく、この個人のリスクプレミアムは
ゼロとなる。
仮にAの資産額を100、Bの資産額を300としましょう。Cはそのちょうど中間ですからCにおける資産額は200となります。
「状況R」は、Aの発生確率は50%でBの発生確率も50%ですから、
100×50%+300×50%=50+150=200 が期待値ですね。
一方、「状況S」は確実に200を得られます。
同じ、なんですねぇ。
「状況R」は確率的に200をゲットできるけれど、100になるかもしれないというリスクがあり、かつ300がゲットできるかもしれないという期待もあります。つまりリスクのある期待値の200というわけです。
他方、「状況S」はノーリスクで200です。
さて、図を見てみるとこの図は逓減パターンのリスク回避的なグラフです。
リスク回避的ですから、資産額が100になることは絶対に避けます。
つまり、リスク回避的な、この個人は「状況R」を好まず、「状況S」を好むはずです。
つまり、この個人にとっての期待効用は、同じ資産額200でも「状況S」の方が大きいのです。
また、この個人はリスク回避的ですからリスクプレミアムは正の値になるはずです。
以上により、正解は、ウ となる。