運営管理【平成24年度 第3問】【平成18年度 第11問】 【平成24年度 第9問】
【平成24年度 第3問】
工場計画に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 「工場内物流計画」では、人の動線や製品,部品、資材および廃棄物の動線に
関する計画を行う。
イ 「施設レイアウト計画」では、電気、水、空気、ガス、光、熱、音、排水など
の供給および処理に関する計画を行う。
ウ 「設備計画」では、生産、その他の要求機能に対する、建物の規模、形状およ
び構造に関する計画を行う。
エ 「建物計画」では、建物や設備の相互関係およびスペースに関する計画を行
う。
雑駁な設問要求ですね。運営はこういう形式が多いです。
選択肢を見てみます。
ア:工場内物流計画とあります。要するに人・物の流れです。行ったり来たりとかすれ違いが多かったりとか運搬が最低限になるように計画しますね。
イ:施設レイアウト計画は、固定式レイアウト、機能別レイアウト、製品別レイアウトと3つに分類できます。施設レイアウトとは工場設備の配置という意味であり、電気やガスなどのインフラに係るものではないです。ゆえに不適。
ウ:建物の規模とか形状および構造とありますね。設備ではなくて建物ではないでしょうか。
エ:建物や設備の相互関係およびスペースとありますからこちらが設備計画ではないでしょうかね。
ゆえに、正解は、ア である。
【平成18年度 第11問】
設備レイアウトに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア グループ別レイアウトでは、グループ内の運搬頻度は高く、グループ間の運搬
頻度は低くなる。
イ 工程別レイアウトでは、工程グループ間の運搬頻度は高く、工程グループ内の
運搬頻度は低くなる。
ウ 製品固定型レイアウトでは、形状、材料構成、必要工具、運搬などの項目に基
づいてグループ化が行われる。
エ 製品別レイアウトでは、素材から製品への変換プロセスに従ってライン状に生
産設備が配置される。
同じ種類の機械や設備を1カ所に集めるのが機能別(工程別)レイアウトです。多品種少量生産に向いています。機械設備の稼働率を上げやすく、作業者の習熟度が上がる一方で、品物の経路が複雑になり、移動が増えるというデメリットがあります。
製品別レイアウトでは品物が機械設備に沿って流れていくイメージです。少品種多量生産が向いています。作業は単純化されるし、機械設備の専用化が進みます。また仕掛品が減少するというメリットがありますが、急な需要変動や仕様の変更には対応しにくいというデメリットも存在します。
ア:グループ別レイアウトでは、GTの原理に基づき、品物に対する加工の類似性とか形状などに合わせてグループ化します。ですからそのグループ内では加工方法が同じになるようにしたり、形が同じようなものを集めて適切なライン配置にするのでグループ間の運搬頻度は低くなりますね。
イ:工程(機能)別レイアウトは、同じような機械設備を1カ所に集めて配置します。ジョブショップ型をイメージしましょう。1カ所に集められた機械設備は同じような加工をしますのでその工程内では運搬頻度は低いのに対して、グループ間では運搬頻度は高くなります。
ウ:製品固定型レイアウトは大型製品を生産するようなレイアウトです。港にあるドッグをイメージします。大型製品の周囲に材料や工具などが配置され、グループ化が行われません。ゆえに本肢は誤った記述だといえます。
エ:素材から製品への変換プロセスに従って、ですからフローショップ型工程をイメージしましょう。ライン生産方式ですね。
ゆえに、正解は、ウ である。
【平成24年度 第9問】
生産される製品の種類と量により、基本的なレイアウトのタイプは、一般に、製品固定型、製品別、グループ別、工程別の4つに分類される。レイアウトのタイプと生産される製品の種類・量との組み合わせにおいて、最も関連性の強いものはどれか。
ア 製品固定型レイアウト ー 多品種少量生産
イ 製品別レイアウト ー 少品種多量生産
ウ グループ別レイアウト ー 少品種少量生産
エ 工程別レイアウト ー 中品種中量生産
まとめてみます。
①製品固定別レイアウト<少品種少量生産>
船舶や大型製品を製造する場合のレイアウト。港にあるドッグをイメージ。
②製品別レイアウト<少品種多量生産>
フローショップ型。
工程順に生産設備を配置するレイアウト。大量生産向き。
③グループ別レイアウト<中品種中量生産>
フローショップ型とジョブショップ型の中間。
製品を構成する部品や工程の類似性で作業場を配置するレイアウト。多種少量生産に、量産効果を与えるためのレイアウト。
④工程(機能)別レイアウト<多品種少量生産>
ジョブショップ型。
同じ種類の機械や設備を1カ所に集めて配置するレイアウト。
正解は、イ ですね。