自称週末ファーマーの国家試験受験記

自己啓発の延長なのか、自己実現の手段なのか、はたまた意地の張り合いか。生きているうちに“何か”を成し遂げたいから走り続けているような感じがする

財務会計【平成21年度 第19問】

【平成21年度 第19問】
 次の図は、ヨーロピアンタイプのオプション取引を行ったときの損益図表を示している。この図と以下の文章から、下記の設問に答えよ。

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 この図で示される実線①は( A )の損益を示しており、破線②は( B )の損益を示している。この図からわかるように、( A )の最大損失は( C )に限定されるが、( B )の損失は、決済時の原資産の価格によって無限になる可能性をもっている。

 

(設問1)
 文中の空欄AとBに入る用語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア A:コールオプションの売り手  B:コールオプションの買い手
イ A:コールオプションの買い手  B:コールオプションの売り手
ウ A:プットオプションの売り手   B:プットオプションの買い手
エ A:プットオプションの買い手   B:プットオプションの売り手

 

(設問2)
 文中の空欄Cに入る用語として、最も適切なものはどれか。

ア オプション契約時における原資産価格
イ オプション決済時における原資産価格
ウ オプションプレミアム
エ 権利行使価格

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いまさらですが、コールオプションは「購入する権利」であり、プットオプションは「売却する権利」です。それぞれ権利ですから権利放棄することも可能です。
実線①は一定のところまでの損失額が予め決まっています。最低額が決まっていて原資産価格が上昇すると、権利を行使することで利益が出る(イン・ザ・マネー:ITM)という仕組みになっています。なお、オプションの購入価格みたいなもの、分かりやすく言えばオプション料が「オプション価格」です。オプションプレミアムともいいます。
実線①の場合には、原資産価格>権利行使価格であれば権利行使して、その差分を利益にすることができます。つまり、「○円で買う権利」ですから、原資産価格が上昇したときには、「○円で買う権利」を行使して安く買い、それを売れば利益が出るということであります。ゆえに実線①は「コールの買い」ですね。

したがって、設問1の正解は、イ である。

続く設問2はコールの買いの最大損失は、図中の実線①の横軸に平行な部分です。コールの買いは「○円で買う権利」ですから○円よりも原資産価格が低い場合、わざわざ○円を出して買う人はいません。権利を放棄するわけです。ですから最大損失はオプション価格(オプションフプレミアム)のみとなります。
よって、正解は、ウ です。