経済学・経済政策【平成19年度 第15問】
【平成19年度 第15問】
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
社会問題となっている入札談合に関し、談合を行った企業2社(企業X、企業Y)が、捜査当局の取り調べに対し、自白するか、自白せずに黙秘するかの選択を迫られているとする。それぞれの行動をとったときの、各企業の利得行列は下表のように表され、各パラメーターは所与の利得の大きさを示し、数値が高いほど効用が高いとする。
たとえば、( b , c )は企業Xの利得が b の水準であり、企業Yの利得が c の水準である。
(設問1)
いわゆる囚人のジレンマが発生している場合、次の文章の空欄A~Dに入る最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
囚人のジレンマは、( A )の利益の最大化が、( B )の最適な選択とはならない状況である。どちらの企業にとっても、他者の行動にかかわらず、自白を選択するほうが( C )である。したがって、ともに自白を選択することが( D )である。
〔解答群〕
ア A:個々 B:全体 C:支配戦略 D:ナッシュ均衡
イ A:個々 B:全体 C:ナッシュ均衡 D:支配戦略
ウ A:全体 B:個々 C:ナッシュ均衡 D:支配戦略
エ A:全体 B:個々 C:支配戦略 D:ナッシュ均衡
(設問2)
囚人のジレンマが発生している場合の、各パラメーターの大小関係Ⅱ関して、モットpも適切なものはどれか。
ア a > b > c > d
イ a > b > d > c
ウ b > a > c > d
エ b > a > d > c
オ c > a > d > b
(設問3)
同じゲームでも無限回の繰り返しゲームになると、協調解が均衡解として成立することが知られている。この理論を表す最も適切なものはどれか。
ア 戦略的補完性
イ パレート最適
ウ フォーク定理
エ ベイジアン・ナッシュ均衡
オ ミニマックス原理
ゲーム理論で枝問だし、しかも3問12点だよ。すごいね、これ。
まずは設問1です。
つぶやき風で。
囚人のジレンマって何だっけ? ああ、協調すればいいのに協調しないもんだから利益がマックスにならないことか。
だから、「個々」の利益の最大化が「全体」の最適にはならないんだ。だから本当は
( a , a )がいいのに( d , d )になっちまうやつだ。だから最後は「ナッシュ均衡」だな。そうすっと、正解は、ア だな。
次は設問2だ。
自白をするのが支配戦略だからもっとも利得が高いに違いない。自分が自白で相手が黙秘ってパターンがサイテーなんだから c が一番利得が低いはずだ。だから一番利得が高いのが b なんで、それを満たすのはエしかないな。
設問3は、と。
協調解が均衡解になるのはフォーク定理だった。
だから正解は、ウ だ。